誕生後 1日目


NICUの医師からオットに説明。

私の病室に帰ってきたオットの目が真っ赤だった。

1週間が生死の分かれ目。

あとは、超未熟児特有の後遺症との闘いでしょうと言われる。

いっぱい管でつながれて痛々しかったと涙ぐんでいる。


帝王切開後、自分でトイレに初めて行く。

トイレに行けるところまで回復できたら、赤ちゃんに会えると聞いたので。

NICUにいる我が子に初めて会う。


きれいな顔。

真っ赤で痛々しい皮膚。

たくさんのチューブ。

かわいい手と足。


涙が止まらなくなる。

妊娠中から、「たいくん」って呼びかけていた。

呼びかけたいのに、胸が詰まってしまって呼べない。



誕生後 2日目


はじめてたいくんにさわる。

小さな小さなたいくんの手。

いとおしい思いでいっぱいになる。

動脈管開存症と新生児黄疸出ている。

薬を投与。

効く様に祈る。



誕生後 3日目


名前が決まる。

NICUの名札に書いてもらう。

とてもうれしい。

写真を撮ってもいいと言われ、デジカメで撮影。

それを見ながら搾乳に励む。



誕生後 4日目


主治医より、動脈管が閉じないので、薬を再投与したといわれる。

また、昨日から頭蓋部に出血見られるとのこと。

搾乳の合間に度々見に行く。

動脈管、完全に閉じていない。

薬の副作用でおしっこが出ない。

心配で、この日はよく眠れない。

NICUの看護師さんにいろいろ声をかけてもらい、少し落ち着く。



誕生後 5日目


今日から、母乳が開始に。

管を通じて、鼻から0.5mlずつ1日4回。

胃に吸収されていれば、様子を見て本格的にはじめる。

動脈管は、完全ではないけれど、閉じてきているとのこと。

脳の出血も広がりはなし。


誕生後 6日目


搾乳で、はじめて1回あたり10mlを超える。

生まれてから初めて、悪いところが出てないとのこと。

動脈管はほぼ閉じかかっており、今の状態なら問題なしと言われる。

ものすごくホッとする。

夜、オットにきてもらい、退院。



誕生後 1週間


はじめて自宅にて過ごす。

たいくんのことが気にかかって仕方ない。

オットは、半日休みをとってくれ、出生届を出しに行ってくれる。

その後、一緒に病院へ。

状態落ち着いており、ホッとする。

たいくんの名前を繰り返し呼ぶと、おちんちんに当てた小さい袋にジャーっとおしっこする。

すごい!

感動。


お七夜。

命名書を家のリビングに貼る。



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それから、1週間後、彼は亡くなりました。

峠を越えた、と言われ、少し心が解けた後のことでした。

急変です。

動脈管が再び開いてしまい、薬が効きませんでした。

あの小さな身体にメスを入れました。

オペは成功しました。

でも、壊死性腸炎が発病しました。

動脈管開存症と並ぶ、未熟児特有の病気です。

お腹が暗褐色になり、明らかに腹膜炎を起こしていました。

1日に二度もオペをしました。

心が、キシキシと音をたててきしんでいました。

オペ前の説明を受けながら、「もうやめて!」と心の中で叫んでいました。

でも、結局はオペをしました。

オットは、ほんの小さな可能性でもお願いしようと言いました。

私は、感情が凍ってしまっていたので、うなずいたのかどうかも覚えていません。

彼はとても強い子で、二度の手術を切り抜けました。

術後に会ったときにも、一生懸命動こうとし、一生懸命目を開けようとしていました。

がんばりやさん過ぎたのかな。

動くと体力を使うので、動かないで欲しかった。

普段は、よく動いてかわいいと思っていたのに、皮肉です。

手術は成功しましたが、出血が止まりませんでした。


彼と過ごした2週間は、大切な宝物です。

喜びと悲しみの大きな波が、いっぺんに押し寄せてきたようでした。

あれから、もうすぐ3ヶ月です。

今でも映像は鮮明です。

でも、彼が頑張ったことを無駄にしたくないから、一生懸命生きようと思っています。

お空にいつか私が行った時に、彼に褒めて欲しいから。

彼を褒めてあげたいから。


たいくんが亡くなってからも、たいくんと私たち夫婦の日々は続いています。

家族のあゆみを刻んでいきたい、とそう思っています。