すみれデス![]()
ぴんぽん![]()
こんな
時間に来る人といったら
主任
以外の誰でもない。
家の中にいるものを、隠れたりして
ごまかせるはずもない。
「来た・・・・・」
「誰が
」
「彼氏」
「・・・・。
オレは、どうしたらいいですか
」
「普通にしてて。
大丈夫だから。」
小声ですばやく話して、
玄関の
ドアを開けたの。
主任
はまず、ドアを開けているあたしを見て
その直後、
あたしの背後に立っているPに視線を移した。
Pはうろたえることもなく、軽く会釈した。
(゚д゚;)
主任
はビックリしたのと、
怒ったような表情のまま一瞬固まった。
そしてあたしの顔とPを交互に見た後、
悲しそうに少しだけ目線を落とした。
「ごめん・・・・。
話してたの・・・・・・・・・・。」
「オレ帰るわ」
すばやく状況を読んだのか
主任
はスタスタと、廊下を引き返していった。
足音が遠ざかっていく・・・。
あたしはノブを握ってドアを開け放ったまま
立ち尽くしてたんだけど
主任
の足音が、階段の手前で止まったの。
あたしはクツを履かないまま
廊下を歩いて主任
を追いかけたの。
主任
は立ち止まって、こっちを振り向いてた。
近づいて行ったら、
こちらに向き直った。
「本当にごめんなさい。
ケリつけるから。今、話しないとダメなの」
「・・・・・・・・・・・・。
帰らないで車ん中で待ってる」
「はい」
そして階段を降りていった。
家の中に戻ると、Pが待っている。
「ごめんね。大丈夫
」
「大丈夫、こっちでちゃんと話し合うから。
さっきも話したよね![]()
あの人を悲しませたくないの。
Pに対するあたしの気持ちも正直に話したでしょ![]()
あたしに、Pへの気持ちが残っているって分かっていながら
付き合うって言ってくれたんだよ。
承知で受け入れてくれてたの。
だからあたしはあの人に、これからは正面から向き合いたいの。」
「また、連絡する。メールするから」
Pはそう言って
車に乗り込んで帰っていった。
そのままあたしは、主任
の車に近づいたの。
主任
が降りてきた。
「・・・・・・・・・・・。」
そのまま立ち尽くす。
「寒いから、中に入って話そう」
重い身体を持ち上げるように、階段を登り
再び部屋の中へ。
「なんでまた来たんだ
終わったんじゃなかったのか![]()
何の用があって・・」
さすがに、お食事に行ったと話すだけの
勇気が出せなかった
。
「友達の
CDを取りに・・・・」
とっさにウソをつくあたし。
車のトランクに入りっぱなしの、
又借りのCDを返したのは事実だけど…
それを聞いた主任
は、はん
と鼻で笑った。
「たった
CD1枚のために来るなんて、
未練たらたらじゃないか。
すみれにはもう彼氏がいるって知ってんだろ![]()
それなのにまた来るなんて、しかも
家の中に入るなんて非常識なヤツだ。
けしからんね
」
Pだけが悪く言われるのが、とてもつらい。
でも、自分がまいたタネだよね。
「未練じゃなくて、車検のことで1度話したから
気が緩んだんだと思う。
別にやり直そうって言ってきたわけじゃないよ」
「どうだかねえ」
「向こうは、お母さんとかご家族が
あたしのこと可愛がってくれてたから、
家族に色々言われてて、それで」
「じゃあ家に行って、荷物引き取って
はっきり言えばいい。“もう終わりましたんで”って。
何なら、オレが話してやろうか
」
主任
には必要のないバトルだ、これは。
主任
はただ、
あたしと普通に付き合いたいだけなのに。
どうして単純に幸せになれないんだろう![]()
「すみれの気持ち次第だ。
すみれはどうしたいんだ![]()
元カレのコトがまだ忘れられないのか![]()
・・・・・ま、人の気持ちはそう急に割り切れないって![]()
それもそうだけどな。」
「あたしは、本当に主任
が好きだよ。
こんなに優しい人はどこ探してもいないよ。ごめんね」
その夜は主任
に朝までいてもらった。
あたしの心がどこにも行かないように。
そして、今までのPとの生活、P家族との関わり
あたしがアパートで暮らしているワケ、
話を聞いてもらった。
いつも、主任
は
あたしが肝心な話をしない、といってた。
多分、Pに関わる話は避けていたから、
話が不自然に繋がらなかったんだろう、と思う。
だから、今まで話さないようにしていたことを
色々と話したの。
あたしは、出来るだけ
ありのままで過ごすようにしないと
いくら知恵を絞ったってダメなんだって思った。
主任
にはばれてしまう。
そして、傷つけてしまう。何度も、何度も。
・・・・・まだまだ続く。