すみれデス![]()
「あのね、
実は、身体を触られるの、昔からあんまり得意じゃないんだよね」
雑談なんかするときでも、
主任
はいつもあたしの身体のどこかを触るクセがあったのね。
「あれ
そうなの![]()
触られると、気持ち良いもんじゃないの
」
「ごめんね、ぞわぞわするの・・・
人ごみでも、人と擦れあうのもキライなんだ。
神経質で自分でもダメだって思うんだけど」
「それじゃあ、今まで付き合ってた人ともそうだったの![]()
一緒に寝るのも
」
す、するどいアプローチをしてくる・・・![]()
「うん・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すると主任は、思いがけないことを言い始めた。
「すみれ・・・・・・・・・・・・・・・。
もしかして、それは、俺だからイヤなんじゃないのか![]()
すみれは・・・・・・無理してるんじゃないのか![]()
正直に言いなさい。
俺には何でも話せって言ったでしょ
」
主任はそう言って、付き合う前、あたしとPとの話も聞いてくれたんだ。
全て聞いても、嫌な顔一つしなかった。
“まだなんか悩んでるだろう
残さず話しなさい”
いつも、そう言ってくれた。
主任は関係ないのに・・・・・・・・
主任は関係ないのに・・・・・・・・
主任の瞳が
あたしの両目を交互に覗き込んでる。
探し物をするみたいに、慎重に。
「すみれは、俺のこと好きなのか
」
あたしの手を握って、そう聞いてきた主任に
返す言葉が見つからず、その分涙が出て来てしまった
。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
それは・・・・・・・・・・・・・・・・・![]()
主任は溜め息をついて
自分に言い聞かせるみたいに、こう言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・そうか。
分かったよ。そうだったんだ。
この子は、無理してたんだ。ずっと」
「無理しなくていいんだよ。
すみれが、すみれらしくしてるのが一番だからね。」
そして辛そうにこう続けた。
「アナタの心は、今どこにあるの
」
主任の目にも、涙が・・・。
キライなわけはない。
好きだけど、好きなんだけど、何が違うんだろう。
主任がいなくなっちゃったら、すごく悲しい。
けれど、今ずっと一緒にいてほしいのは主任じゃない。
こういうのは時間がたつと変わるもの![]()
あたしの希望って、どうしてこんなに勝手なんだろう。
主任の涙を見て、胸が締め付けられるのは
これは恋とは違うの![]()
恋って、どうやって始まっていくモンなんだっけ![]()
左手の薬指に、もらった指輪が光っていた
。