手作りのクッキーを一つずつ袋に詰めて其れを箱詰めして
紅色の袋へ。
普段よりも作るのに時間が掛かってしまったのは多分、
緊張していたせい。
其れを学校へ持って行って待つのは放課後。
やっと待ちに待った放課後がやってきて、でも渡そうか
渡すまいかと考えて結局は温室の茂みへと隠す事に。
隠し終えてほっと一息ついたのも束の間で、己の時計を見遣れば
もう待ち合わせの時間はとうにきていて慌てて出ようとすれば
私の名前を呼ぶ声。
香坂 玲緒さま
どうやら私の事を聞き込み調査の上で発見して下さったみたいで
申し訳ない事をしてしまった。
(他人さまにご迷惑掛けるだなんて考えられないっ!)
探し当てて下さった事嬉しくて・・・でも、それは秘密。
他人にキスを贈る彼女の姿は良く見かけていたけれど
実際に私にそんな事をするとは思わなくて少し驚きました。
でも、其れは寸での所で制止。
ロシア人はスキンシップが好きだし、大切な人を絞らないと
おっしゃっていたけれど・・・・本当かしら?
それ、ちゃらんぽらんな玲緒さまだけじゃ・・・?
大切な方にだけ贈るべきものだと考えている
私ってやっぱり堅いかしら。
でも、そんな安っぽいキス要らないの。
本当に欲しいのは・・・・
ブラウニーも作って其れを包んであの方の下駄箱に
入れたけれどあの方は食べて下さったかしら・・・?
こんなに勝手な私の作ったものを。
