実はボーナスが現金で支給されました。



金額は


①オメーふざけんなよ!いくら儲かってんだよ!


・・・・と、怒鳴ってもよし。


②はい、ありがたく頂戴いたします。


・・・・と、畏まってもよし。


どちらかというと①寄りですが、ま、小言一つ言わず

これからも頑張りますって偽善者ヅラぶっこいていただきました。


年俸制ですから、ワタクシにとってのボーナスはおまけのようなものです。

しかも現金ですから、嫁に申告しなければ

うまくいけばバレマセン。

使いたい放題です。


ところが2、3日いろいろと思いを巡らせておりましたが

何だかコソコソしてるのもみっとなくなって

申告しました。


「ボーナス出たから。〇〇万。」




そして機先を制して

「〇〇万、貯金に回して、○○万で帰省費用+αとする。あとこれだけ仕事がらみで使う。」

と、

このお金の使い道については、てめーに指揮権はない。

・・・と言うのと同義のことを嫁に申し伝えました。



「・・・アタシは何もいらないわ・・・」

とさらっと言う嫁。


・・・当たり前じゃい!・・・・

・・・と内心毒づきます。



「・・・でも・・・・(親類のお子様たちにあげる)お年玉とか・・・

 いろいろあるから・・・


・・・と、言い出します。


そのいろいろが怖いのです。



この時点で少しずつ恐喝されて結果的には莫大な金額を

毟り取られるか弱い少年の心境です。




主導権を渡してはいけない。

絶対渡してはいけない。


・・・・考えた末、一万円札を何枚か、気持ちよく渡しておきました。

「これでおしまい。」ってことで。



さて残ったお金は

実は意外にも真面目なワタクシですから

仕事がらみの必需品(かばんや着るもの)を購入したり、子供達への出費以外は

ホントに貯蓄に回します。


決して有馬記念にぶち込んでみたり

アホな友人と飲んだくれるようなことはしません。


あぁ・・・ボクもすっかり大人になった・・・・

・・・でも

・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つまらない人間になった・・・・




・・・つまらない人間です、ボクは。


使い果たして、さらに借金するくらいの方が・・・・ね・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

・・・・

夫:「・・・お義父さん・・・ほら、見てください!この貯金通帳!

   こんなに収入があるんです!うまくいってるんです。

   だから、もうお義父さんに借りることはありません・・・」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(何度も何度も義父に金を借りては失敗を繰り返してきた男(夫)。

 そのたびに「お前なんかに娘をやるんじゃなかった!このロクデナシ!」と

 怒鳴られつつ金を借りてきた。

 その義父危篤の報に、久々に駆けつけた男は、商売がうまくいっていることを

 やっと義父に報告できたのだ。ところが・・・・



義父:「・・・・おまえも・・・つまらない男になったな・・・・」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

義父は金を借りに来てるこのバカな男にいつのまにか、何かを感じるようになっていた。

失敗しても失敗しても挫けずに、恥も外聞もなく金を借りに来る男、

この男に金を貸してやるのが生きがいとなっていたのだ・・・・・・


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



夫:「・・・お義父さん・・・もう一度・・・・お金を・・・借してください・・・」


義父:(うれしそうに微笑んで、息を引き取る・・・)




・・・・そんな話があったなぁ。「人間交差点」で。