祝婚歌  

            吉野 弘

 

    二人が睦まじくいるためには

    愚かでいるほうがいい

    立派すぎないほうがいい

    立派すぎることは 

    長持ちしないことだと気づいているほうがいい

    完璧をめざさないほうがいい

    完璧なんて不自然なことだと

    うそぶいているほうがいい

    二人のうち どちらかが

    ふざけているほうがいい

    ずっこけているほうがいい

    互いに非難することがあっても

    非難できる資格が自分にあったかどうか

    あとで

    疑わしくなるほうがいい

    正しいことを言うときは

    少しひかえめにするほうがいい

    正しいことを言うときは

    相手を傷つけやすいものだと

    気づいているほうがいい

    立派でありたいとか

    正しくありたいとかいう

    無理な緊張には色目を使わず

    ゆったり ゆたかに

    光を浴びているほうがいい

    健康で 風に吹かれながら

    生きていることのなつかしさに

    ふと 胸が熱くなる

    そんな日があってもいい

    そして

    なぜ胸が熱くなるのか

    黙っていても二人にはわかるのであってほしい

 

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   ※ 出典は「風が吹くと」という詩集のようですが

    現在絶版のようです。

    「二人が仲睦まじくいるためには」という

    詞華集にも掲載されています。

    (わたしはこちらを持っています)

        

    わたしは正しいのだからと

    夫を責めながら 

    罪悪感で押しつぶされそうな

    愛する人の姿を見て

    やっぱりわたしは

    どこか間違っているのかもと

    再構築のあり方にぐるぐる

    悩んでいるときに

    タイトルの言葉に出会いました。

    その言葉がやけにひっかかり

    検索して、出会ったのが

    吉野弘さんの「祝婚歌」です。

 

    新婚の夫婦に贈られることが多いそうですが

    銀婚式の夫婦にもぴったりですよね。

    

    日々上がったり下がったりで、いつも

    こんな心境ではいられませんが

    自戒をこめて。

   

    もうひとつ、

    心が洗われるような歌を紹介します。

 

     「たしかなこと」  

 

    小田和正さんのオリジナルは

    youtubeに上がっていなかったのですが

    17歳だという彼女の歌声

    まっすぐさに心打たれます。

    

 

    この歌も 「祝婚歌」みたいですね。

 

    ”一番 大切なことは 特別なことではなく

    ありふれた日々の中で 君を

    いまの気持ちのまゝで 見つめていること ”

 

    ”君にまだ 言葉にして

     伝えてないことがあるんだ

     それは ずっと

     出会った日から 

     君を愛しているということ”  

 

    もし良かったら 字幕をオンにして

    聞いてみてください。