その1。からの続きです。

 

・・・というわけで

当日は何も期待していませんでした。

 

誕生日前日、夫は泊まりがけの出張で

出張先が、たまたま

娘の暮らしている街の近くでしたので

仕事が終わってから待ち合わせて

娘のリクエストで、

美味しいお肉をご馳走したそうです。

 

そして誕生日当日

まさかのサプライズがありました。

 

「娘から預かってきた」

と手渡されたのは

私の名前が彫刻されたサンローランの口紅。

同封された手紙には

コスメサイトのシュミレーションで

ママの写真を入れて

一番似合う色を探したんだよ♪

バイト代で初めて買ったものです。

と、ありました。

本当に素敵な色で

つけると魔法のように

顔がぱっと明るくなりました。

自分で選んだ色より似合うってすごいな。

 

そして手紙には、感謝の言葉とともに

ライン電話でママと話すのがとても楽しい。

ちょっとへんなママが大好き!

と書かれていてそこにまた愛を感じました。

ほんと娘って私のことよく分かってくれてるなぁ。涙。。。

 

そしてその後、

夫からも、サプライズがありました。

 

箱を開けてみると

プリザーブドフラワーが二輪入った

写真立てでした。

人工的な蛍光オレンジの、そのお花は

残念なことに私の苦手な色でした。

 

好きな花の色は

意識的にこれまで何度も伝えてきました。

でも、覚えていてくれなかったんだ・・・。

 

とっさに落胆が

顔と態度に出てしまいました。

私の顔色を常に窺っている夫はすぐに気づき

「どうした?なにかあった?」

と不安そうな顔。

 

「ううん、びっくりしただけ。嬉しいよ。ありがとう。」と慌てて言ったけれど

声からも表情からも喜んでいなかったのはバレバレだったでしょう。

 

私の趣味は、ガーデニングです。

薄いグリーンがかった白のお花が大好きで

アジサイアナベルやクリスマスローズなど

その色の花をたくさん植えています。

 

今年の5月、

娘からもらった母の日のプレゼントは

まさにその色の花を中心にした

素敵なアレンジメントでした。

「好きな花の色を覚えていてくれた。」

そのことがとても嬉しかったのです。

 

いつか夫からも

好きな色のお花をもらいたいな。

 

馬鹿みたいですが

夫が(自発的に)

私の好きな色の花を覚えていてくれて

プレゼントしてくれるというのが

私の長年の夢です。

 

バッグや洋服などは

細かい好みがありますし

試着して決めたい方なので

自分で選んだものを買ってもらうのに

抵抗はありません。

 

だけど、お花だけは違いました。

好きな色、を覚えていてほしかった。

それは、

洋服を選ぶような難しいことではなく

私に関心をもっていたらきっと

簡単に出来ることだと思っていたからです。

 

だから

夫と買い物に行った時には

意識的にお花屋さんに寄って

家に飾るお花を買いながら

この色の花が好きなんだ、とアピールしていました。なのに・・・。

 

なぜそんなにガッカリしてしまったか

それは・・・

 

夫は私の好きな花に興味がないんだな。

       ↓

夫は私に興味がないんだな。

と、感じてしまったからです。

 

これまで長い間、私に「興味・関心」を持ってもらえていないことを

とても悲しく思っていました。

 

髪型を変えても、新しい洋服を着ても

いつもなんにも言ってもらえなかったこと。

 

10年以上前から変わらない私の主な仕事先のお休みの曜日(毎週同じ)も

、その曜日に行っていたバイト先の場所も名前も覚えてもらえなかったこと。

 

結婚後に好きになった

ミュージシャンや作家さんの

名前すら覚えてもらえなかったこと。

 

夫は私に興味がないんだろうな、

と感じていたことが

ずっと悲くてトラウマでした。

 

夫も

「当時は自分のことでいっぱいいっぱいで

余裕がなかった。

レモンはしっかりしているから、

仕事先も何も知らなくても

ちゃんとやってるはずと

全部信頼して任せていたつもりだった。」

再構築の話し合いの中で、

そう言ってくれましたが

どこかで引っかかっていたのでしょうね。

 

その後、娘にお礼の電話を入れたときに

びっくりすることを聞きました。

 

「パパからのプレゼント、どうだった?

ご飯のあと、一緒に買いに行ったんだけどね

パパは、前にママと買い物に行った時に

ママが選んでいたお花の写真を携帯に残してて

それを何度も何度も見ながら、

うーん、この色がいいかなぁってブツブツ言いながら

一生懸命選んでいたよ。ラブラブだねぇ。」

 

 

・・・そうだったんだ。

 

 

確かに

あの時、

淡いグリーンの花と一緒に組み合わせて

お花屋さんが見立てたのは

オレンジ色の花でした。

正確に言うと、そんな人工的な色ではなく

もっと繊細な色でしたが

夫には同じに見えたのでしょう。

シャーベットオレンジ~サーモンピンクの

その花の色と

蛍光オレンジの絵の具のようなその花の色が。

 

これはもうセンスの問題なので

どうしようもないですね。

 

そして私が好きなのは

引き立て役のその花ではなくて

淡いグリーンの花の方だったんだけど・・・。

 

ちょっとズレてはいたけれど

夫はとても頑張ってくれていた。

私が何を好きかということに

ちゃんと関心を持ってくれていたんだ

 

胸が熱くなりました。

それから

その写真立てが

とても輝いて見えるようになりました。

 

娘のおかげで

悲しい涙が喜びの涙に変わりました。

 

そして、夫を信じられなかった私

期待通りじゃなかったからと

ガッカリしてしまった私も

まだまだ修行が足りないなぁと

深く反省しました。

 

娘や息子からのプレゼントなら

どんなものでも心から喜べるのに

夫にはそうできないのはきっと

夫に対する期待が

とても大きいからなのでしょうね。

 

ちょうど今、読んでいる

やましたひでこさんの「捨てる」という本に

書いてあったこと。

 

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人間関係のストレスは

「自分のことをわかってくれない」

「自分の望むことをしてくれない」

ということから来る。

他者はもともと自分の事を100%わかってくれないもの。

 

イライラしてしまうのは

相手に対する過剰な期待である。

 

別な視点から見ることが大切。

 

相手もお粗末、自分もお粗末。

 

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本当にその通りです。

「断捨離」で

過剰な期待、執着も

捨てることができるかな。

 

今の私の課題です。