結婚して10年目に義母が亡くなりました。
いつも明るくて聡明で、大好きな義母でした。
当時のお葬式は、まだ斎場もなく、全て自分達の手で執り行われました。
また、今では簡略化され珍しくなりましたが
近親者が故人と近い順に、遺影やお骨、墓標などを手に持って
お寺の庭を何周か回る儀式もありました。
さて、お葬式の前日の夜
誰が何を持つのか、義父より発表がありました。
夫が3人兄弟でそれぞれに子どもが3人
義母は2人姉妹でしたが、義父の兄弟が10人
近所にもたくさんの親戚があり、大勢の人の名前が読み上げられます。
私は亡くなった義母の次男の嫁ですので、
早い方に名前が出るはず、と思って聞いていましたが
呼ばれません。
そのうちに、甥や姪、うちの子ども達の名前もありましたが
やっぱり私の名前は出てきません。
「あれ?」と思っているうちに、終わってしまいました。
私の名前、なかった…。
どうして
夫さん、気づいてくれないの
私の名前、ないのに。
誰も言わないって、どういうこと
私はそういう立場なのかな
長女も長男も、3歳の次女もみんな名前があるのに…。
お義父さん、いつも「いらちゃん」って言ってくれるけど
こんな大切な時には、私はのけ者にしたかったのかな
妄想が止まりません
結局、葬儀の場に貼られた近親者の名がずらっと並ぶ紙の中にも
私の名前はありませんでした。
私が手に持つ物もなかったので、
子どもといっしょに、子どもの持つ「お花」を持って庭を周りました。
義母が亡くなった悲しさに、ちょっぴり上乗せされた悲しさを感じて
お葬式は終わりました。