高校生の時です
放課後の体育館に大好きな数学のN先生が入ってきました。
「いらは(苗字)、Kを知らないか
Kはすごいんだよ。
この前の模試で全国上位になったからさ、記念品が届いて渡したいんだ。」
とニコニコされていました。
「N先生、いらはのはないんですか」
と聞くと
「おおっ、いらはのか。残念だな、今日はないんだ。
俺、いらはにも期待してるんだよ〜」
と、もっとニコニコと話して下さいました。
その時私は、学年トップのK君に学年底辺の自分を絡めて、
なかなか上手いやり取りができた、なんて思っただけでした。
この前、ふとこのやり取りを思い出しました。
私は「先生も、またうまいことを」と思ったし、
ほんとにそれだけだったかもしれない。
でも、それが冗談でも、話の流れだけだったとしても、
私に「期待してるんだよ」という言葉をかけてくれた人がいた。
そうか、期待しているよ、と言われたことがあったんだな、と。
N先生は数年前に他界されましたので、
お礼を伝える術はありません。
が、私は、私に期待してるよ、と言ってくれた人がいた事を忘れず、
それを心の力として生きていきたいな、って思いました