「名前を言ってはいけないあの人」ホイホイ | マニアックなくちばし

「名前を言ってはいけないあの人」ホイホイ

トイレに「名前を言ってはいけないあの人」ホイホイが置いてあるんだ。


トイレットペーパーホルダーの下のところにあるんだよね。

だから用を足している時に必ず、どーしても目に入ってしまう、そんな位置。


さすがにホイホイの中までは見えないしするんだけどさ・・・・・なんか中がどうなっているのかついつい想像していつもフクザツな気分になる。


中にうっかり入って、出られなくなってしない、何も出来ずにただ死を待つのみとなった、その「名前を言ってはいけないあの人」の無念とかさぁ~


足を取られて、その内に身体の自由も利かなくなってね。そいでふと辺り見回すと、同胞のなきがらが点々と。

そのゴ・・・いや、「名前を言ってはいけないあの人」に家族とかいたら、と思うとなんかせつなくなるんだよな。


(くぅっっわが命、ここで消えるか) とか中でとらわれている一匹が思うの。


その一匹が良く見ると、近くに一匹、自分よりあきらかに若いのがねばねばにつかまっている、自分と同じように。

明らかに若い・・・・そう。それは自分の息子が生きていれば、ちょうどそのぐらいの年のはず。


最初の一匹には実は子供がいたんだよね。

「パパー」って、明るくていい子だったんたよ、実に、親思いでさ。

小さい時、人間に殺虫剤の成分 (じゃなくてそのもの) かけられて死んでしまったけれど。


子供は泡の中、死ぬまぎわに言ったのよ、「パパ、生きて」って。

だから、生きていたのに・・・パパ今日まで必死に生き延びていたのに・・・


(ごめんな・・・カズオ <仮名> パパ、もうすぐお前のそばに行くよ。でも、もういいだろ? パパ頑張ったんだから)


ふいに、その、もう一匹の若い「名前を言ってはいけないあの人」が言うんだ。


「・・・・・この (ホイホイ) の中で死んだら、俺も星になれるかな・・・?」


「な、何・・を・・・」


「・・・なぁ・・・なれる・・・と思うか・・・? アンタ」


最初の一匹は、何も言えませんでした、この若者に一体どうしてやれるというのです?

ただ、心の中であるかないか分からない神にこう祈るだけ。


(このおいぼれはどうなっても構いません。この若い命をお救い下さい・・・・・)



あぁ・・・・・なんかセリフまで書いたら、またせつなくなって来たよ。


って言うか、トイレ行きたくなって来たんだけど、なんか今度はほんのり墓地への肝試しっぽくなって来て、別のイミでこわくて一人じゃ行けないよぉ~(泣)


どないしよ。←ほぼ自業自得


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