13日。昼過ぎの新幹線で東京へ向かった。
今回はいつもとちがう行き先。
平日でツインだからやっと泊まれたような、私には不似合いのスタイリッシュなホテルにチェックインして、すぐにむかったのは初めての日生劇場。
年季のはいった雰囲気のたたずまいと内装。ここが坂本くんがむかしセリを止めたという劇場なのね。
ゆるやかなスロープ状の客席。壁や天井が独特な形で壁は貝殻人形(笑)みたいになってる。
想像していたよりとてもコンパクトな劇場なのね。うしろのほうでも舞台が近く感じられそう。
でも傾斜がゆるやかだから前の人の頭が舞台にかぶりそうだなー。
始まる前の緞帳?舞台上はZの字が刻まれていて(公式ブログに載ってたとおり)赤い照明が鮮やか。
それだけでこれから始まるゾロの世界に期待が高まっていく雰囲気。
がしかし、私にはめずらしく緊張というものが襲ってこなかった。
なんでだろ、ドキドキする気はあったのに、来そうで来ないのね。
Pal Joeyの時なんて心臓吐き出しそうなくらいドキドキ・・・・してたような・・・覚えてないけど←ヲイ
坂本くんが自分のステップアップのために自らオーディションを受けて、勝ち取って、稽古して、迎えた初日。
いままでだったらこんなに緊張を呼び起こす材料満載な初日はないはず。
けれど、心臓は少し高鳴っている程度。なんでだろね。
OZ、ASUの再演続きで初日の緊張感てものが遠くなっていたけれど、アリ天→Pal Joeyの初演続きである程度、初演初日の状況になれたのかしら。
まあそれは置いといて。
以下、完全ネタバレですよー。
お話としては勧善懲悪のヒーローもの。
恋愛も絡んで、結果的には正義が悪を倒し大団円・・・・・なんだけど。
そんな単純明快スッキリ爽快観劇後は後味も良く・・・とはいかないかな。
そう思わせる原因はラモンの心の影とイネスの死のせい。
ゾロが現れてからは村人に死人は出なかったけれど、イネスが犠牲者に。
ディエゴはルイサを愛していたけれど、イネスのこともちゃんと愛してたはず。恋人というよりは家族に近い人として。
そのイネスを殺したのは子供のころから兄弟として育ってきたラモン。
ディエゴはラモンのことだって愛してた。
だから家族のようなイネスを殺した兄ラモンをそれでも許して正そうとするのは心が軋む思いだろうに。
差し伸べた手に差し出し返された手を、悲しく、でもホッとしたような顔で取るディエゴの表情が辛い。
だって客席には見えてるんだもん、ラモンの手に握られたナイフがね。
ラモンがしてきた圧政の根底にはラモンの歪んだ精神があるわけで。
小さいころに実の親と死に別れて、ドン・アレハンドロに我が子のように育てられても、その愛情を信じられなかったラモン。
常に義弟であり養父の実の息子であるディエゴに嫉妬していたのかな。
ディエゴの優しさ愛情深さ、奔放さは本当の愛情を受けたからこそ持ちえたものだと思っていたのかも。
そんなディエゴと自分を比べていたのかしら。感受性が高くて頭の良いラモン。
親の愛を受けたい一心で歪んだラモン。
ラモンの狂気に同情してしまうような気持ちにもなるから、最後に崩れ落ちたラモンの姿とラモンを手にかけてしまったディエゴの気持ちを思うと苦しくなるよね。
ディエゴのしたことを称えるお父さんの言葉と最後のルイサのキスはディエゴへの慰めなのかな。
