1－憲法と立憲主義
1 国家と法
一定の限定された地域（領土）を基礎として、その地域に定住する
人間が、強制力をもつ統治権のもとに法的に組織されるようになった
社会を国家と呼ぶ。したがって、領土と人と権力は、古くから国家の
三要素と言われてきた。
この*国家という統治団体の存在を基礎づける基本法、それが憲法
である。この講義も憲法（主として日本国憲法）を扱う。
＊国家概念 国家の考え方は、立場の違いによっても、法学的にみる
か、政治学的にみるかによっても著しく異なる。憲法学では、たとえ
ば人権を「国家からの自由」という場合のように、国家権力ないし権
力の組織体を国家と呼ぶことも多い。