私がこれまで最も愛した人
それはまだ私が23歳で
田舎から出てきて一年経った頃だった。
始まりは
男友達から突然誘われたカラオケ
私も同期を誘って参加し
そこに彼は来ていた。
ちょっと英語が話せるといい気になって
英語の曲を選曲して歌った私
すると彼は僕も歌ってあげると
エルトン・ジョン
エリック・クラプトン
の曲を歌い始めた。
ネイティブなんですか?
と言うくらい
メチャクチャ歌が上手で
私はちょっと恥ずかしくなった。
だからと言って
歌の上手さをひけらかしはせず
『いつも聴いてる曲だからさ』と。
(よく聴いてても歌えるような曲じゃないのに)
それから
カラオケから解散したのが朝方5時
それぞれ家に戻り
朝から一眠りする準備をしていた時に
家の電話が鳴った。
『良かったら朝ごはんを食べに行きませんか』
と
歌の上手い彼からだった。
つい数十分前に一緒にいた彼
そんなそぶりは全く見せなかったのに
驚いた。
病院近くにあった環七沿いにあるロイヤルホスト
そこで彼から告白された。
『君は僕のタイプなんだ。良かったら
僕と付き合ってみてくれないかな』
と。
その時の私は
当時付き合っていた彼と
遠距離になった事で浮気され
別れた後だった事もあり
心の傷が癒えないままに過ごしていた。
そこに突然出会った専門学校に通う28歳
歌が桁違いに上手い彼の存在は
そんな私の気持ちを払拭させてくれるほど
インパクトが強くて
そして不思議な人という印象だった。
突拍子のない彼のお誘いに驚いたけれど
その日から交際してみる事にした。
スタートが不思議だったから
あまり彼の容姿や背景など気にしないで
始まった関係だったけど
実は細マッチョでカッコよくて
知性が漂って
安易に人を寄せ付けないオーラがある人
いつもいい匂いがして
とても穏やかで優しくて
声のトーンも落ち着いていて
嫌味なくエスコートしてくれる
『これ凛に似合うと思って』
と、私に似合いそうな
服やバッグを買ってプレゼントしてくれる
過去のお惚気になるけれど
カラオケで知り合った彼は
単なる歌の上手い専門学校生だと思っていたら
これまでお付き合いした人とは
別次元の素敵な人だった。
男友達と彼は
某専門学校に通う仲間
でも、彼は
既に某有名私立大学の法学部を卒業後
メガバンクの海外法人担当を経験していて
英語はびっくりするほどペラペラだった。
(どうりで英語の曲が上手いわけだ)
株取引もしていて
公認会計士になるために
学生に戻った人だった。
ちなみに
愛車はlegendの最高級クラスに乗っていて
お金には全く不自由のない生活を送っていた。
普段のデートは
私の深夜勤務が終わると
彼が車で病院に迎えに来る
そのまま彼のマンションに行き
私はシャワールームへ
彼が私の身体をキレイに洗ってから
タオルで拭き
私の髪をドライヤーで乾かす
ルームウェアも彼が着せてくれ
そして優しくキスをして
私をベッドに入らせてくれる
私が寝入るまで横で過ごし
そっと私を起こさないようにベッドから離れると
彼は私の寝顔を見ながら
会計士試験の勉強を始めるのだった。
そして数時間が経ち
私が目を覚ます頃
彼はエスプレッソマシンで
美味しいカフェラテを入れて
私のそばまで持ってきてくれる
私がそれを飲み干すと
彼はまた私を横にして
優しくキスをする
そしてそのまま愛される
心身共に満たされた後
彼と夕食を外に食べに出かける
助手席に座っていると
『凛の事大好きなんだ』
と信号で止まるとキスをして囁かれ
食事中も
私を見つめてくる彼だった。
23歳にして初めて経験した
心から幸せと思える恋愛
等身大の私をこんなにも愛し
本当の愛とは何かを教えてくれた彼だった。
彼とは
その後3年お付き合いする事になった。
つづく