震災の日から 震災関連の被災した子たちの事

今の原発事故の被災地の事  インスタグラムで 伝えさせて頂いています。

 

この9年間 被災地での活動を通して出会った命の事を

 

今はいない沢山の愛おしい子たちの事を 

 

原発の事故に翻弄されて行方が解らなくなってしまった子

 

そして 生き抜いた子たち

 

その後に亡くなってしまった子たちの事を

 

不定期に書かせて頂こうと思います。

 

※ 写真を当時の携帯から拾うのが面倒で(;'∀')

当時のブログより抜粋したので画像が悪くなっています。

 

 

 

夜ノ森の桜並木のカンナちゃん

 

 

カンナちゃんは、

東日本大震災が起こったあの日

富岡町の夜ノ森の桜並木に住んでいました。

 

桜並木のすぐ裏にある さくらの堤公園には沢山の猫たちが住んでいました。

 

そこからある日お家にやってきた

三毛猫のカンナちゃんを お母さんは幼いときに保護して飼っていました。

 

そこに 先住としていたのはココアくん

 

 

ちょっと焦げ茶色と白色の大柄の猫さん

 

男の子なのに幼かったカンナちゃんのお世話をよく見てくれて

 

本当の兄弟のように育ったそうです。

 

いつもココアくんの後ろを追いかけて遊んでいるカンナちゃん

 

美容室を営んでいたお母さんのお店で、

看板猫としてもカンナちゃんは立派にお客さんをもてなしていたそうです。

 

当時、お外にも出していて公園で遊んだり ココアくんと追いかけっこしたり

鳥を捕まえたりととても元気なカンナちゃんだったそうで

 

あの日、お母さんは避難するときに

いっぱいいっぱい呼んだんだけど

 

お外に出てしまっていたカンナちゃんたちは戻って来なくて

 

地震の恐怖からかどこかに隠れてしまったのか探しきれずに

避難はきっと少しの間 そう思って 餌をたっぷり置いて

その時は 行かざるを得なかったそうです。

 

しかし、避難は続き そのあとしばらく戻ることは不可能でした。

 

一時帰宅が始まってようやく家に帰れた頃に何度か見かけたそうですが

もうすぐ逃げてしまうばかりで 捕まえることが出来ず。

 

猫はお家につくものだから家からは離れないと思い 餌を置いて

帰宅時に一生懸命家のあたりを探しますがいません。

 

お母さんは 置いてきたことにとても後悔されていました。

 

 

そんな中 2011年の12月公益許可での動物保護が認められて立ち入りがありました。

 

私達は、その時に 桜並木でガリガリの猫さんを見つけて保護しようとしたところ

たまたまいたカンナちゃんが捕獲器に入り保護出来ました。

 

捕獲器の中では 超激おこ でしたが(;'∀')

その夜 一緒にレスキューに入った人(ぽこさん)のお宅に泊めて頂いて

そこでフリーにしたら 凄く懐いていて 飼い主さんがいるのでは?と

 

カンナちゃんがいたお家の方に役場を通して問い合わせをしたところ

そのお宅の方が 飼い主さんと判明したと連絡を頂きました。

 

3月11日から 9ヶ月後の出来事でした。

 

このお家の裏の公園は、

当時レスキューに入っていた方々がご飯を切らさずにおいていた場所でした。

 

そのおかげでカンナちゃんは生き延びられたのだと思います。

 

 

でも その後、飼い主さんのSさんとお話したところ

カンナちゃんにはお兄さんみたいに慕っていたココアくんという子がいたというのを知って

 

その後も、お母さんの依頼を受けて保護活動を続けていましたが

ついに ココアくんの保護には至りませんでした。

 

カンナちゃんよりもかなり慎重な子で、2012年時点では何度も見かけたそうですが

その後の行方は解っていません。

 

お母さんと一緒に当時まだ警戒区域だったご自宅のお家でココアを探したとき

 

お母さんが必死にココアくんを呼ぶ声が未だに耳に残っています。

 

私も、ココアくんを見つけたい一心で

このお家の給餌保護を続けていきました。

 

許可証の面でも Sさんには大変お世話になりました。

 

そのおかげで、このお宅で保護された子はとても多く

沢山の命が救われた場所だと思っています。

 

ココアくんは、もしかしたら他の団体さんが保護してくれているのかもしれない。

 

そう思い他団体さんの保護のページなども調べていましたが、

ココアらしいこの情報は上がって来ませんでした。

 

今も生きているのか?死んじゃったのか?

 

お母さんも私も当時を思い出して 救えなかったこと

間違ってしまった行動を ひたすら後悔したり

 

これはたぶん一生続くのだと思います。

 

 

昨日 お母さんに今住んでいる周りの猫さんの事で相談を受けまして

 

約一年ぶりに カンナちゃんに会ってきました~(*^^*)

 

相変わらずの 艶々カンナちゃん

 

 

 

カンナという名前は神無月に保護したからだそうです。

当時まだカンナちゃんは2.3歳だったそうですので

 

それでも12歳くらい

 

まだまだ若くてふっくらしていて艶々です。

 

でもカンナちゃん保護したばかりもとっても艶々で9ヶ月もサババルだったのに

そんな雰囲気全くありませんでした。

 

私の持論ですが、三毛猫は 賢いです。

 

カンナちゃんは、毎日ご飯を食べに家を離れても

必ず 家に戻って来て、他の子の脅威や、野生動物との戦いも交わしながら

 

うまく生き延びたのだと思います。

 

今、Sさん夫婦の傍らにいるカンナちゃんは 本当に幸せそうです。

 

富岡をあきらめ、いわきに居を移したSさん

 

数年前、富岡町で住んでいたご自宅も解体し 今は更地になっています。

 

夜ノ森の桜並木沿いのご自宅は 桜の時期になると多くの花見の人が来て見物します。

 

区域的には、避難指示が解除されたお家との本当に境目ですが

 

今でも帰還困難区域に指定されていて

ゲートで遮られた敷地には一般の人は入りませんが、

解体の決断をしたのは

多くの方にその中の荒れ果てた家を見られるのがいたたまれなかったからです。

 

今年の夜ノ森駅解除の区域編成でも、お家状況は変わりませんでした。

完全に解除されるのは 2023年となっています。

 

 

 

 

 

今年も もうすぐ 桜が咲きます。

 

今年は 常磐線が全線開通をし

桜並木も夜ノ森駅までの500mが延長されて歩けるようになり

少しづつでも先を向いて動いている富岡町の状況に とても嬉しく思いますが

今もゲートの中に当時のままで眠っている家々があること

 

私は、当時ここに住んでいた被災者ではありませんが

富岡町町民として とても複雑な気持ちでいます。

 

 

でも 沢山の方に  こんなご時世ですが 夜ノ森の富岡町のさくら を見に来てほしいです。

 

そして 当時この桜並木にはたくさんの動物たちが住んでいて生きた子も死んだ子もいたこと

 

その子たちの事 もう一度 思い出してあげてほしいです。

 

被災地の動物たちの事 風化をさせたくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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