【ケース加工】Mac ProのアルミケースでPCを組み立てる(その1)
はじめに
これまで使っていたPCが古いせいか、いろいろと処理スピードが間に合わず、
VOICEROIDを動かすと音が途切れたり、アベマ視聴でもグルグルし始めたり、
将棋ソフトがえらく遅かったり、dlshogiが動かなかったり・・・などと、
性能的に不都合が出て来たので、新製品7000番台が発売されて安くなってる
AMD Ryzen 5000番台のCPUを使ってPCを組み立ててみたいと思い立ちました。
しかし、見た目のよいケースが見当たりません。
PCケースはカルチャーの違いなのかMacの世界より数十年ほど遅れてる感じですね。
というよりは、LED電飾ギラギラというデコトラみたいなヤンキーカルチャーな頭の悪そうなゲーミング風PCケースを選びたくないのが正直な心情です。
PowerMac G5で見慣れてるあの総アルミケースならそこそこ見た目が良くて通気性が良いので良く冷えるのでは?と思い立って、検索してみると、mATXマザーボードを組み込んでる作例がそこそこあったので、いけそうだと思いましたので行動開始しました。
内蔵するマザーボードを用意する
いろいろと検索して、そこそこ安いパーツで組み立てようと考えてはいたのですが、初めてのPC組み立てなので安全策をとって定番の部品を選ぶようにしました。
・マザーボード ASROCK B550M Steel Legend
・CPU AMD Ryzen9 5900X BOX
・CPUクーラー DEEP COOL AK400
・CPU固定金具 ProArtist IFE2 AM4専用CPU抜け止め予防ブラケット
・メモリ Crucial CT2K16G4DFRA32A (DDR4 PC4-25600 16GB 2枚組)
・SSD WD Black SN770 WDS100T3X0E (M.2 2280 1TB)
・グラフィックボード 玄人志向 GG-RTX3060-E12GB/OC/DF (GeForce RTX 3060 12GB)
・電源 玄人志向 KRPW-BK750W/85+ (750W)
いろいろとGoogle検索したり、ドスパラやパソコン工房の店員さんに聞いたりして部品選定しましたが、CPUのRyzen 9 5900Xはちょっとバランス的にオーバースペックだったかと思っています。
実際に写真のように作業台の上でバラックで動作させてみると、使えてるコアは最大でも8コアくらいで12コア全部は使えてないですね・・・で、全コアを使う動作をするには消費電力と発熱で制限がかかるので空冷では無理なのかな?
まあCPUの能力が足りてないよりは足りてるほうが良いわけで(コストの問題を除けば)動作的にはいまのところ問題ないですけど・・・
このバラック状態でR23のマルチコアでのベンチマークでの発熱は69℃に収まっていました。(室温20℃)
ケース加工
ヤフオクで故障品ジャンクの安いMac Pro 初代(2006)を見つけましたので、早速落札して送ってもらいました。出品者さんは近県なので送料も安く済みました。
動作確認したところ、電源ボタンを押しても通電はするけどLEDが点滅し起動できない状態なので心置きなく分解してケース加工をしていきます。
長い特殊ドライバーとかをホームセンターで調達して、Mac Pro についてたマザーボードなどの部品をものすごく苦労して全部撤去してから、まずはスペーサーをペンチで折り取りました。
スペーサーはアルミ側板に1mmほど沈めて接着されていたので1mmほどディスクグラインダーで高さを1mm短く加工して、取り付けるmATXマザーボード(ASROCK B550M Steel Legend)にスペーサーをゆるくねじ止めしてメタルロックという強力そうな2液式のエポキシ接着剤をケース側板とスペーサーの接着面の両方に塗り付けてケース側板に押し当てて固化するのを待ちました。意外と接着剤の硬化が速くて焦りましたが、なんとかがっちりと接着できたと思います。
PCI ボード3スロット目のスペーサーは金具と干渉しますのでスペーサーの方の底面の干渉する部分をグラインダーで削って対応しました。
ケース側板の接着箇所はあらかじめ紙やすりで荒らして接着剤が剥離することが無いように下処理をしています。
マザーボードのIOパネルにアクセスするための穴あけは、ディスクグラインダーでおおまかにカットしてからあとは糸ノコでカットしました。
Mac のこのケースでは着脱式のIOパネルは取り付け不可能なので、IOパネル一体型のマザーボードのSteel Legendを選定し、アクセス穴を取り付けるだけで済ませました。mATXケースを切断してまるごと移植するという大胆な技を使えばツラ位置に合わせられるのでしょうけど、PCケースをドナーとして犠牲にしないといけないのでそこまでお金かけてこだわるのも意味ないかな?と・・・
このケースは3mmの穴が並んでいますので、黒マーカーで描いた下書き線にそってその穴をつなげて行くようにカットすれば、きれいにカットできると思います。
バリは棒ヤスリや紙ヤスリで丸めておきます。
マザーボード取り付け後の写真です。パネル一体型のマザーボードなのでバックパネル無しの基板むき出しよりは見た目がいいかな?
オーディオ端子がスロット部に干渉していますが、百均の細いケーブルならさせました。マザーボードのHDアナログ入出力端子は使わないので私としては問題ありません。
換装するATX電源からの配線を通すための穴を養生テープでガードしてからディスクグラインダで削って無理やり開けました。
アルミなので簡単に穴があくと思ってましたが、この間仕切りのアルミ板の下は鉄板でしたので非常に困難でしたがなんとか開けられました。
光学ドライブ取り付けスペースへの電源配線を通す穴が必要なので、ファンガードの鉄板の網目を糸ノコでカットしようとしましたが一箇所カットしただけで疲れてしまいました。
ファンの網目は強力なニッパでカットしましたが切断面が尖ってしまって、加工方法としては結果的にあまりよくなかったですね。
バリはヤスリで丸めてテープで保護しました。
Mac Pro の着脱式のHDDスペース4箇所のうち、1箇所をケーブル穴にしたということになります。取り付けられるHDDは3つに減りますが、オンボードのSSDモジュールで事足りるので、まあ問題は無いでしょう。
ATX電源の取り付け穴を開けました。Mac Proのケースの3mmの通気穴とATX電源の取り付けネジの4箇所のうち3箇所は合致しますので、それを目安にディスクグラインダと糸ノコで切断して穴を開けました。養生テープを周囲に貼って加工の目安にしています。
ここも寸法的には大まかでいいので、もともと開いてる3mmの穴をつなげてカットしていくという感じでいいと思います。
電源を試しにケースにネジ止めしてみました。
電源ユニット付属のネジは黒色なので、パソコン工房で銀色のインチネジを買ってきてネジ止めしました。4個のネジのうち3箇所はもともとの穴を使えば取り付けられるようにケース加工をしましたが、のこりの1箇所はφ5mm程度に穴を広げてネジ止めできました。
電源ユニットはゴムのスペーサーで底面より浮かせて取り付けています。
逆さまでの取り付けなので上面からファンで吸気して背面から熱気を排気するフローとなります。
・・・(その2 前面端子準備へ続く)