東向きの窓から入るやわらかな陽が、今日も店内を包んでる。
クラシックの響きを持つ人々のドイツ語会話は、私にとってのBGMだ。
"Hallo"
まだ、Cafeに入ることさえ緊張していた、ベルリンに来て間もない頃
窓辺に座ろうとした私に、隣のテーブルを片していた店員が、こげ茶色のまっすぐな瞳でにっこりと声をかけた。
Cafeでもマーケットでも本屋でも、この地の挨拶は、微笑みと”Hallo"から。
初めは慣れなかったこの習慣も、今では気持ちいい。
席をつめてもらうとき、
トイレで入れ違うとき、、
見知らぬ人でも、目を合わせてにこっと微笑む。
もともとアイコンタクトの苦手な私も、そんなヨーロッパ人の透き通る瞳に吸い込まれ、思わずにっこり微笑み返す。
そんな空間で飲むコーヒーはおいしい。
この季節は、皆おひさまを求めてテラス席に腰をおろす。
そんな人々のパンくずを求めて、目の前までふとっちょスズメたちが顔を出す。
この積極さは、やっぱりドイツ人ゆずりなんだろうか。
そんなゆっくりとした時間が流れて、
だんだんと、空も、風も、人々の服装も、秋色に染まってきている
ベルリンのCafezeit.
(2012年9月)