
先日のブログでお伝えした、墨田区への要望と、それについての墨田区からの回答です。
ただし、回答文は、それぞれ区の担当者から聞き取りを行い、日本共産党区議団さんの責任でとりまとめたもので、区の公式見解とは異なる場合があります。
この回答は、日本共産党の見解ではないのでご注意ください。
「▽」は懇談会で、参加者からの質問、意見、見解です。
「→」が墨田区の回答です。
①放射能測定の方法に関する質問と要望
すべての「砂場」を放射線量測定してほしい。
→測定している。
▽最新のものは2月10日付け(墨田区HPに掲載されている)
子どもがよく遊ぶ場所も測定してもらいたい。
→そのように努力している。ただし、室内は屋外より基準がゆるくなっており、計測しなくても特に問題はないと考える。
▽文部科学省の指針を基準に計算しているとのこと。室内の空間線量は0.4かけして計算している。室内だからといって、なぜ4割で計算するのか、その根拠は示していない。あくまでも国の指針に従っているという理由であり、墨田区独自の基準は設けていません。
土壌の汚染状況も計測してもらいたい。
→空気中の測定で基準を超えた地点では、土壌も計測している。
「放射能汚染マップ」をなぜ作成しないのか。
→国がヘリコプターを使っての全域の状況を公表、自動車による道路マップも公表される予定。作成する必要性があるのか疑問。
▽これまで会や、会員が独自に放射線量測定をしたけっか、国がヘリコプターで計測した線量よりも大幅にこえる値が計測されていること。林の下にたまった落ち葉や、雨樋などにたまった放射性物質は計測できないことなど伝えました。
被災ガレキの受け入れ状況・方針は。
→宮城県女川町の災害廃棄物を3月から受け入れ、23区の清掃工場で焼却し、江東区の最終処分場に埋め立てる。
除染マニュアルはどうなっているか。
→国のガイドラインに基づいてい対応している。
放射線測定におけるガイドライン
尿検査、甲状腺検査を保健所で集団検診はできないか。
→現時点では、実施する考えはない。
②測定結果の公表に関する質問と要望
砂場の砂はどこからきているのか。
→最近交換したものは、利根川の河口付近のもの。交換後に測定も行なっている。通常時は、搬入時に産地や汚染状況などのチェックを行なっている。
公共施設以外のホットスポットもわかる「マップ」を作成してもらい。
→民有地は測定していないので困難。
▽会が独自に放射線測定会をおこなった際、1μSv/hを超える線量が、保育園のとなりにある民有地から計測された。区のホームページでは掲載されていないが除染もされた。「放射線マップを作成する必要性があるか疑問」と区は説明するが、民有地のホットスポットを無視して、どうして危険性がわかるのか。だからこそ公共施設以外のホットスポットもわかるマップが必要だと伝えました。
公共施設に放射線量を表示してほしい。
→施設によっては表示している所もある。すべての施設で表示する必要性は認められない。
③給食に関する質問と要望
給食検査の月一回の基準は何を根拠にしているのか。
→購入するのは一台であり、フル稼働しても月一回が限界。
▽日本共産党墨田区議会議員団さんとのやりとりで、この給食検査がなぜ実施されるにいたったかがわかりました。国から食品の放射線量を測定する機械を購入する助成金がでること、それと、今年で退職するはずであった放射線技師さんが、今年も再雇用で職場に残ることになり、人員を確保できたという理由だそうです。区民からの要望を受けて実施したのではなく、できる可能性があったから行ったという消去的な態度であったことがわかりました。「月一回が限界」という理由も、人員が一人しか確保できていないからです。
測定方法のマニュアルはどうなっているのか。
→国の暫定的なスクリーニング基準に基づいて実施するが、技術的課題も多く、測定をすすめる中で策定していく。
保育園・幼稚園、小学校、中学校など、カテゴリー分けにして、測定器3台体制で測定できないか。
→現時点では、考えていない
▽上記にも記載しましたが、カテゴリーわけするだけの人員が確保できないことが大きな要因と考えられます。
アルファ線、ベータ線も計測し、公表してもらいたい。
→セシウムを測定して基準値を大幅に越えていなければ、アルファ線、ベータ線を測定しなくても現時点では特に問題はないと考える。微量なものまで計測するには、莫大な経費がかかるわりに効果がない。
▽この見解からわかるのは、内部被ばくの危険性を過小評価していることです。放射性物質が体内にはいった場合、「しきい値」は存在しません。
食材の産地を公表してもらいたい。
→各小中学校に公表するよう通知している。
▽区から公表するように通知しているので、いま現在通知していない学校がある場合、保護者から「産地を公表してほしい」と要望すれば公表してくれるそうです。
牛乳は、基準値以下であっても、セシウムの有無、含有量を示してほしい。
→基準値をはるかに下回る数値については、公表する意味があるのか疑問。微量なものは測定器の信頼性の問題などもある。
▽墨田区はすべて牛乳は「コーシン乳業株式会社」から購入しているそうです。「コーシン牛乳」に今後問い合わせしたいと思います。
産地を選んだ給食の提供を(茨城のれんこんやキノコ類の使用は避けるなど)
→一律に規制はしていないが、各学校で産地を考慮して食材を選んでいる。
④保育園、幼稚園、小中学校、学童などの放射線対策に関する質問と要望
行事の前に被ばくは大丈夫か遣唐使、通知をしてほしい。
→各学校で対応しているが、遠足等の実施について、PTAと相談している所が多い。
▽「所が多い」というだけで、全体的に相談しているということではない。しかも問題意識をもっている保護者がいなければ、相談しないということ。あくまで受け身の姿勢。
保育園、幼稚園、小中学校の教諭が放射能問題について勉強する機会はあるか。なければ学習会の実施を。
→学校保健会や区が主催した講習会に、多くの教諭が参加している。
▽講習会の内容、講師がどんな人なのかは区民に公開されていません。
風の強い日や花粉の多い日は、外遊びをするかどうか判断してほしい。
→健康に被害を与えるような基準を超える花粉が飛散するなどの事態は考えにくい。
マスク、手洗い、うがいを徹底してほしい。
→現状では、健康に影響を与える状況は考えにくい。
▽「インフルエンザや水疱瘡など全国的に強い警戒感をもって対応しているのに、どうして放射能となると消極的になるのか。もっと対応してほしい」と意見を伝えました。
⑤墨田区として取り組んでほしいこと
「放射線量警報」など区独自の対応をとってほしい。
→現時点では、光化学スモッグ警報のように、広域的な対応は必要ないと考える。
低線量被ばくの講習会等を保育園、小学校単位で行なってほしい。
→現時点では、実施する予定はない。ただし、測定器の貸し出しを行なうので、放射能等についての説明などはできるかぎり行ないたいと考える。
家庭でできる対策(調理での除染方法や注意点など)を知らせてほしい。
→流通している食材は、きびしい基準値を下回っていることが前提であり、現状では除染等の必要性は低い。
食品用放射能測定器を設置し、誰もが使えるようにしてほしい。
→現時点では難しい。
九州、沖縄地方の物産展、アンテナショップ等を設置してほしい。
→被災地支援や観光対策、あるいは個別のつながりなどで、催し物や商店街などで物産展を開催したりしているが、区としては誘致していない。また、アンテナショップということになると、既存の商店と競合するなどの問題もある。
安定ヨウ素剤の区での備蓄、区民への配布
→現時点では、必要性は低いと考える。
春、夏休み等の疎開の実施。
→現時点では、必要性は低いと考える。
里帰り出産を希望する場合、児童を退園・転校させることなく、里帰り先の施設に預けることができるようにしてほしい。
→国が特例的に扱いを認めないと難しい。
長くなりました、以上です。
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この要望、意見をもとに、日本共産党の原区議会議員が今日の墨田区議会で質問してくれました。
山崎区長への質問と答弁の様子は次回掲載します
