少し前にジャンク箱からFUJICA ST801をサルベージしてからM42の沼にズブズブと足を嵌らせている。
先日の仕事帰りに寄ったカメラ店のジャンク箱からPENTAX ESを救出した。
1971年に発売され、世界初のAE機として知られる同機。前世代のペンタSPほどではないものの良く売れたようでジャンク市場で度々見かける。
機械式を好む私としてはさほど興味が無いカメラではあったが、この時訪れたお店では税込100円で投げ売りされていた為即GET。
同個体は電子回路が故障している上にシャッターを切ると数回に一度はミラーアップ状態で固着する癖のある所がジャンクたる所以である。
回路が故障するとシャッターを切ることすらままならなくなる機種が多いAE機ではあるが、このPENTAX ESは1/60~1/1000の機械式シャッターが装備されている為、電気系統が故障してもマニュアル撮影が可能な電子・機械式シャッターのハイブリッドな仕様となっている。
今回は電子回路の故障に関しては目を瞑り、もう一方の故障箇所であるミラーの固着を直してゆく。
4つのビス(順ネジ)で固定されている底蓋を開けるとまず最初にメカメカしく、どことなくレトロフューチャーな印象を持たせる電子回路が顔を出す。
今回は回路にはノータッチで行く為、これもまたどんどん外してゆく……(回路は2本のビスで留められているが、外す際に配線を切らないように注意が必要。)
上図は回路を外した状態。
この状態で慎重に巻き上げを行い、シャッターを切りつつ動作を観察すると、画像中央付近にギアからの動力伝達によりミラーを戻す機構が存在していることが分かる。
この部分を無水エタノールで脱脂・清掃を行った上でミシン油を注油する。
様子を見つつ空シャッターを切り続けていると次第に潤滑油が各部へ回りミラーアップが起こらなくなった。
処置が完了したら電子回路と底蓋をはめてやって作業完了。
この時巻き戻しボタンの周りに嵌められていた丸いカバーを回路の上から被せる事を忘れかけてヒヤッとした(そもそも無くてもさほど困らなそうだけど)
外装を無水エタノールで清掃し、モルトも交換したので試写が楽しみ。
今週末は同じく100円で転がっていたSuperTakumar200mm/F4を着けて街撮りに出かけようと思う。
(ちちまる)