前回と同じ、幼稚園時代の話です。

夏になるとプールがありました。

水着は今の時代と同じでビニールの
プールバッグに入れて持っていきました。

そのプールバッグも母が用意してくれるのですが、これまたイヤでイヤで……


イラストが、当時はやっていたペンギンの
キャラクターなのですが、
ビールを持っているのです。



お酒のCMキャラクターなので、
ビールを持っているのでしょうが、
“それを子供に持たせる?!?!”
と子供ながらに思っていました。

しかも、我が家は父が酒を飲んで暴れるような家庭。
お酒には嫌なイメージしかありません。


“お母さんって私がお酒で嫌な思いしてるって思ってないんだなぁ。
なんで気がつかないんだろ……”
と思っていました。


前回のコップ同様、心はイヤだイヤだと叫びますが、お母さんには言えません。


私は自分で自分を一生懸命に励まします。


“透明なビニールきれいだよ!
ペンギンも可愛いよ!”


私はこの頃から、自分の気持ちに蓋をして、
セメントで塗り固めていくことをしていました。

だけど、30数年たった今でも
「イヤだ!こんなの持ちたくない!」
と、心は叫んでいます。