アメリカン・エピック1 | Ran'sストレンジブリュー

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エルビスやチャック・ベリー以前はどーだったの?

「アメリカン・エピック」は4つのエピソードからなっている。「ビッグ・バン」はカーター・ファミリーとジャグ・バンドについてのストーリー。

サラ・ドハティはバージニア州西部の山間部に住み、先祖やコミュニティに受け継がれた歌を歌っていた。巡回セールスマンのA.P.カーターはこの地区を訪れたとき、サラと彼女の歌を発見した。やがて二人は結婚した。

A.P.の弟エズラ・カーターはメイベル・アディントンと結婚したが、メイベルはサラの従姉妹だった。こうしてカーター・ファミリーが形成されていった。

1920年代後半、レコード会社は新たな才能を発掘するべく各地にスカウトを派遣した。マイクロフォンでの電気録音が開発されて出張録音が可能になったからだ。1927年、プロデューサーのラルフ・ピアはテネシー州ブリストルでオーディションを開催、3人はそこに参加し合格した。1927年から28年にかけて録音した曲は人気となりその後1943年に解散するまで活動を続けた。その後メイベルは3人の娘ヘレン、アニタ、ジューンと共にマザー・メイベル&ザ・カーター・シスターズを結成して活動した。

 

ジャグ・バンドというのはイメージが掴めない。30年代に廃れてしまったからだ。その”楽器”について解説すると分かりやすいと思う。たらいベース、洗濯板、木箱製のパーカッション、ジャグ(陶器製の水差し)などで演奏した。楽器が手に入らないから身近なもの、手作りのもので代用したのだ。ジャグ・バンドもまた20年代のオーディションで多くの録音を残した。