【2015年9月下旬の事】
(『【エピローグ:第017話】[新婚旅行ハワイ編その②]ロイヤル・ハワイアン・センター
』の続き)
翌朝、僕は、自然と目を覚ました。
そして、窓から入る陽射しに目を細めながら、僕はベッドから起き上がった。
窓から見える景色は、鮮やかな海の青が映えていて、とても綺麗だった。
みおちゃんは、しばらく前に起きていた様子で、何やら身支度を始めていた。
なんだか、今日は結婚式だというのが、僕の中では、まだ不思議で仕方なかった。
前日の夜に抱いた感覚が、翌朝にも引き継がれていた。
みおちゃんが、僕が起きたことに気がつくと、声をかけてきた。
「おはよう~♪」
さすが、本日の花嫁さんは、上機嫌だった。
この日のスケジュールの最初は、まずは、花嫁さんのメイクを担当する美容師さんが、部屋にやってくる予定だった。
メイクやら衣装の着付けやら、美容関連を引き受けてくれる方らしい。
また、僕のことも、ちょっとは見てくれるようだった。
やがて、美容師さんが部屋にやって来て、挨拶もそこそこに、みおちゃんの準備が始まった。
僕はと言うと、しばらく出番がなく、ボーっとしながら、みおちゃんの準備を眺めていた。
そして、しばらくすると、僕達の撮影担当のカメラマンであるルイさんが、部屋にやってきた。
名前は“ルイさん”と言いつつ、日本人の男性だった。
ルイさんも、挨拶もそこそこに、挙式で使用する衣装やアクセサリーを引き渡すと、慣れた手つきで扱いつつ、ごっついカメラでバシャパシャと撮影を始めた。
ハンガーに立てかけてある衣装を撮影したり・・・・
近づいてアップで撮影したり・・・
綺麗にアクセサリーを並べて撮影したり・・・
指輪を重ねて撮影したりしていた。
僕は、その光景を眺めながら、
『おぉ・・・さすが、慣れているなぁ・・・。』
とか、
『動きに無駄もないし、迷いもないなぁ・・・。』
などと、感心していた。
そんな風に、油断して、ルイさんの事を、ボーっと眺めていたら、
「じゃ、澄龍さん、撮影、はじめましょっかっ!」
と、ルイさんから、張り切った声をかけられ、そこからは、僕の怒涛の撮影が始まった。
ワイシャツを着て、前のボタンを締めた後は、言われるがままのポーズを取っては、静止して撮影、の繰り返しだった。
本格的に写真なんて撮られ慣れていないので、少し照れ臭い想いをしながらも、完全にルイさんのペースに巻き込まれ、必死にポーズを取りながらも、心が緩まないよう、気を引き締めて撮られるよう心掛けた。
『ここで撮った写真は、いつかどこかで、活用するのだろうなぁ・・・。』
そんな想いを浮かべながら、気分はモデルか俳優か。
僕はもう、なんだか良く分からないが、なりきる事に専念した。
「はーい、澄龍さん、オッケーです。ありがとうございましたぁ~。」
そのように、ルイさんの声がかかると、美容師さんとルイさんは、みおちゃんに取り掛かることになるようだった。
なので、僕は解放され、ベッドでくつろぐことが許された。
遠目にちらりと見えた、みおちゃんの顔は、みおちゃんでないような、初めて見る人の顔になっていた。
『お化粧をした花嫁さんに対して、「誰?!」などと言うのは、甚だデリカシーの無いことだろう・・・。』
僕は、そんな事を考えながら、ベッドで眠気と戦っているうちに、みおちゃんの準備が終わったらしく、再び怒涛の写真撮影が開始された。
(つづく)






