【2015年9月下旬の事】
(『【エピローグ:第016話】[新婚旅行ハワイ編その①]出発・飛行機内・ホテル到着 』の続き)
夕方になって、僕はふと目が覚めた。
『あぁ・・・僕は確か、ハワイに来ていたんだっけ・・・。』
慣れないベッドの感触を感じながら、すぐには意識がはっきりしなかったけれど、少しずつ、海外・ハワイに来ている実感が湧いてきた。
僕が身体を動かすと、みおちゃんも目が覚めたようだ。
「ハワイに来ちゃったねー♪」
みおちゃんは、寝起きでも、上機嫌だった。
僕達は、お腹も空いたので、身支度を整えると、夜の街に繰り出すことにした。
ホテルは、海岸沿いの大通りに面していたので、道に迷うことは無さそうだった。
僕は、ハワイには初めて来たので、その点では安心感があった。
大通りの両脇には、飲食店・雑貨屋・お土産屋さんがズラリと並んでいるのが見えた。
大通りを歩いていると、日本人を見かける割合は、全体のうちの、3割程度だろうか。
その中でも、男女比は、1:2といったところかな、と思った。
僕達は、フラフラと歩き、途中のお店で道草を食いながらも、何となく当たりをつけていた場所に辿り着いた。
そこは、ロイヤル・ハワイアン・センターという所の中にある、フードコートだった。
というのは、僕達は、低予算で強引にハワイにやってきた為、なるべく現地でかかる費用は抑える必要があった。
そのため、レストランなどには行かず、こういった安価で食事ができる場所を狙ったのだ。
その狙いは、良かったと思う。
費用は半額以下で、食事が出来たのではないかと思う。
そして、そこで、学んだことがあった。
それは、現地の人にとっての標準サイズが、日本人にとってのビッグサイズだ、ということだ。
僕は、ちょっと欲張って、ビーフとチキンのステーキのコンボ的なものを注文した。
すると、超ガッツリ山盛りな感じのライスとサラダの上に、ずっしりとビッグな肉が搭載された皿がやってきてしまった。
・・・おかげで、僕は、次の日のお昼まで、何も食べずに済むくらいの量を、一度に食べることになった。
この時、僕はもう、ビッグサイズを注文するまいと、心の中で決めた。
翌日のお昼過ぎにも、僕達は、また同じフードコートにやってきた。
みおちゃんは、無添加のハンバーガーが気に入ったらしく、ご満悦の様子だった。
フードコートは、色々なお店があるおかげで、まだ暫くは飽きなさそうだった。
この日は丸一日、買い物をしたり、お土産を見たりなどして、ゆっくりと過ごすことができた。
そして、いよいよ明日は、挙式を迎えることになっていた。
終始、上機嫌のみおちゃんの、マシンガンのような話が途切れると、僕達は寝ることにした。
・・・まだ慣れないベッドに横になりながら、僕は、明日の挙式のことを想像した。
なんだか、ちょっぴり不思議な、嬉しいような、こそばゆいような、複雑な、そんな気分だった。
生涯で、2回も結婚式を挙げることになるとは、僕の人生、なんだか面白いというか、変わっているというか、不思議な方向に進んでいるなぁ、と思った。
こうやって、ハワイにやってきたのも、みおちゃんの現実化の強力さによるものだろう。
しかし、こうやって、現実化の強い女性を傍にいるのが僕という事は、僕にもまた、それを加担する要素があるのかなぁ?などと、想いを巡らせた。
そうこうしているうちに、飛行機疲れがまだ残っていたのか、いつの間にやら眠ってしまっていた。
(つづく)