
6月22日、夏至。
今年もこの日から始まった、恒例の行事がある。
広島市の原爆死没者名簿への記帳だ。
昨年の8月6日から、今年の8月5日までに亡くなられた方の名を、
この日から記録し、慰霊碑の下にある石室に収める。
昨年までの搭載者の数は247,787名、今年の8月6日で累計253,008名、
名簿册数は実に89冊になる。
記帳は1952年から、ずっと続けられてきた。
今年で62年目を迎える原爆の日。
60年以上前の過去の出来事として、語られる原爆の日だが、
この記帳について考える限り、まだ終わってはいない出来事なのだ。
あの日から、毎年毎年、何らかの形で原爆症を患った方々が亡くなられている。
昨日も、今日も、明日も。
近い将来、まったく記帳されなくなる日がやって来るだろう。
現在も語り部をしておられる、体験者から直接話を聞く期待も失われていくだろう。
季節は巡り、人の記憶も古い写真のように色あせてゆく。
しかしそれでもやはり終わってはいない。
ずっとずっと、何も解決もしてはいないし、終わってもいないのだ。
解決も終焉も無い出来事が、あの日、ただ始まったのだ。
この事実だけは忘れまい。
P.S 来年の夏至も誰かの、名も知らぬ誰かの名が名簿へ刻まれて行く。
253,008、この数が減る事はないのだから。
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