
ギターの神様、それとも、神様のギターといったほうが良いだろうか。
1967年の夏から4年間、この惑星上には確かにギターの神様が降臨していて、
聴くもの、観るものをノックアウトした。
打ちのめしただけに止まらず、パンチドランカーのヨイヨイにしてしまった。
神は、それまで正常進化を続けていた、ロックとロックギターの歴史に、
突然変異をもたらしたのだ。
その偉業は、革新的とか、先進的とかいう言葉自体が陳腐に思えるほど、
爆発的で絶対的なモノだった。
彼の名は、James Marshall Hendrix…Jimi Hendrixという。
日本では通称"ジミヘン"で知られている。
親しみがあるね、この"ジミヘン"という呼び名は。
子供の頃、私はこの"ジミヘン"が好きではなかった。
理解出来なかったのだ。
「なに?このアフロの暑苦しいオヤジ!」と思っていた。
しかし、やがて私も神様の力に気がつきひれ伏し、ドランカーになった。
レコードを買い、聴きこみ、マネをしてみる。
ジミは世界で初めて、ノイズ(雑音)を音楽にまで昇華させてしまった、
とんでもない人で、当時の同業者は皆ショックを受けたみたいだ。
真のイノベーターだったのだ。
というわけで、信者は彼の名の付くモノならなんでも欲しい。
その一つがこのギターである。
Fender Stratocaster Jimi Hendrix Model
'96年、楽器屋に陳列してあったのを即買いした。
通常ジミのモデルはリバース・ボディーといって、左右が逆になっているが、
これは普通である。
ヘッドのみがリバース・ヘッド(逆)になっている。

これはサウスポーだった彼が持ったとき、
ヘッドだけが普通のストラトと同じ状態、右利き用になるように設計されているのだ。
このほうがチューニングしやすいもんね。
では、なぜボディーも逆にしないのかというと、
彼は逆アングルになったリア・ピックアップの音が気に入っていたらしい。
それからこれも天地逆に付いているトレモロ・アームも。
このギターにはその他にも普通のストラトにはない工夫がされている。
ボディーの表にコンター加工がそれだ。
これは彼のトレードマークでもある、背中に背負ってプレイする時、
角が痛くないよう面取りされているのだ。
何本製作されたのかわからないこのギターだが、
大本はジミがフェンダー社にオーダーしたギターに準じているらしい。
結局、彼はこのギターを弾かず終いで天に還ってしまった。
一風変わったモデルなので、フェンダーも形にして販売しておきたかったのかもしれない。
作った職人の名がスタンプされている。

John Cruzという人で、現在はマスタービルダーとして、活躍している。
実はこのギター、あまり弾いたことが無い。
コレクションのつもりも無いのだが、時々手に取るのだ。
そしてジミのフレーズをつま弾いてみる。
何かに迷ったり、混乱したき、これは大変有効な打開法で、
もどれば良い場所まで私を導いてくれる。

そんな、神様ギターだ。
神のマジックが宿っていると勝手に決めつけている。
いつまでも傍にいて欲しい。
追伸:私のギターアイドルは節操無く沢山いるのだが、
最初は誰だったのだろう…と思い返してみる。
たぶんそれは、スナフキンのスリーフィンガーなのだ。
"おさ~びし~山の~♪"なのだ。
おさびし山のバラード…原題は"A Lonely Mountain"。
スナフキンもジミもそこの住人なのだ、きっと。

~おさびし山のバラード~
1.雨に濡れ立つ おさびし山よ われに語れ 君の涙のその訳を♪
2.雪降り積む おさびし山よ われに語れ 君の強さのその訳を♪
3.夕日に浮かぶ おさびし山よ われに語れ 君の笑顔のその訳を♪
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