スパイスが印度から同量の金と交換されて、
英国に渡ったのは何時のことなのだろう。

中世ヨーロッパでは、暑い夏に、腐りかけた獣肉の匂い消しにそれらは珍重され、
遠く印度や亜細亜からスパイスは運ばれた。

マティーニのベースとしても知られる、
"BEEFEATER"というGinの名の由来も、
はるばるスパイスを買いにやってくるイギリス人のことを、
印度人たちが"牛肉を食べる人"と呼んだから…と、聞いた事がある。

ヒンズー教徒が多い印度では、戒律で禁止されている牛肉・豚肉を口にすることはないからだ(子羊・鶏・魚介類・乳製品はOK)。

転じて、英国人=牛食い。

日本人も牛は食べていなかった。
というか、飛鳥時代から明治まで肉食は禁じられていたのだ。
牛・馬は農耕の労働力だったこともあるだろうが、どういう訳か、
汚れた生き物とされていた…とこれも何かで読んだ。

それゆえに、調理道具が汚れるからと、農具の鋤に載せて焼いて食べていたから、
"すき焼き"と呼んだらしい。

アウトドア料理のはしりだね。

でも、こっそり鹿や猪は食べていたらしい。
グルメはいつの時代にもいたんだね。

噂ですよ、あくまで。

私が牛肉をあまり食べない理由は経済的なものだが、
時々禁断症状が出て、肉肉肉…と、気が狂いそうになる。

精神衛生上由々しき事態なので、これはイカン、早く食わねば…と買いに行く。

輸入の安いのだけどね。

同居人は可哀想にも肉が食べられないので(彼女は魚しか食べません)、
買って来た肉は、なんとすべからく独り占めである。

んで、焼きました。
肉の表面を事前にニンニクの香りをうつしたオリーブ油で焼固め、
そのままフライパンを濡れ布巾の上に、ジュッ…と置き、熱を取る。
この間に肉の内部を暖めるのだ。

こうすると、レアだけど中が冷たくない、ジューシーなステーキが出来上がる。
揚げたニンニクチップをトッピング(またこれが旨いんだ)。

ソースではなく、塩と胡椒がやはり美味いとおもう。
スパイスが良い。

それ以外ではやはり醤油だ。
ワサビを溶いた醤油が、脂と混ざって美味くなる。

禁制品だった時代に生まれなくて本当に良かった。

スパイスが伝来した後で本当に良かった。

肉の焼加減も含め、タイミングだね人生は。


非常に有意義な、"Japanese Beef Eater"の宴であった。
印度にも、英国にも、牛にも、日本にも、みんなに感謝だ。

ごちそうさま。



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