聖地巡礼(田口ランディ:メディアファクトリー)
田口氏は女性作家です。「ランディ」はペンネームで、おそらく、ハーフではないと思います。(未確認情報です。違っていたらごめんなさい。)
早速、どうぞ。
P35
「水神社」から渋谷地下へ130キロの旅
P49
水神社は、大きな"磐"
だった。岩が水の御神体なのだ。
磐の上に「水神社」と掘られた石盤が乗っている。磐は切り立った崖のてっぺんにあり、細い足場を伝ってようやく磐の下まで行ける。
けっこう怖い。
いやあ、まいったな水神社。そこから見下ろす景色たるや凄い凄い。
水神社は連なる山脈を蛇行する谷、つまり龍脈のてっぺんに位置する。遙かに連綿と続く山々の間を龍のように曲がりくねった美しい谷が続いている。
絶景だ。
この谷を流れていく水の律動が伝わってくる。
なんだろう、この場所にいると空に引っ張られる。疲れが吹っ飛ぶ。気持ちいい。身体の中心線が空洞になって風が抜けていくみたいだ。
P56
私、同じことを別の人から教わったことがある。その人はこう言った。たとえば、誰か大切な人が旅行に行くときに「お守り」を差し上げるとする。そのときにただ言葉で祈りを込めても念は入らないんだよ。その人が無事に帰って来たその時のうれしさ、なつかしさ、そういう五感で感じるすべてを「お守り」に込めること。そうすると「お守り」は力をもつんだよ。
P57
清田君から、水はがんばっているよ、って言われてはっとした。
そうかもしれない。水は水のままなんだ。
渋谷の地下5メートルでヘドロまみれになっても、水は水なんだ。そしてこの東京のよごれを吸い取って流れて行っているんだ。こんなにないがしろにしているのに、文句も言わないで。
それが水っていう存在の、凄さなのかもしれない。
………………
私は、水に対して、とても神聖というか、精神性を感じてしまう人です。
上手く言えないのですが、私にとって水は、世界との調和のベースといった感じです。
私は普段、清らかな水の流れる大きな川沿いのサイクリングロードをランニングしてます。
一番いい時間帯は朝です。
今の時期、朝の澄んだ空気、大地のエネルギーを胸いっぱいに吸い込んで、走っていると、体の苦しささえも
「生きてる!」
っ気がして大好きです。
「ランニング」✕「どくしよ」っぽくなってきたでしょ?