心拍低下
絶え間ない痛みの中で
どういうこっちゃ
もしかしたら危ないのかもしれない
と思った途端
あれよあれよと助産師が6人入ってきて
(そんなに人数いたんかい)と心の中でツッコミを入れていたらあっという間に全員が私の手足を全て押さえつけた
「お母さん!もう今すぐ赤ちゃん出すからね!これで出なかったら帝王切開になるから覚悟して!」
…はい?
と思う間もなく
青い手術着の院長先生が私の股の間に入ってきて
「お母さん、赤ちゃんの首にへその緒が絡んでるの。これ以上時間かかるといかんから、今から鉗子で出すからね」
と説明された
そして
バチン!バチンバチン‼︎
バチンバチンバチン‼︎
6回響いたハサミの音と、鈍い衝撃
不思議と痛くはなかった
先生が、でっかい銀色に光る鉗子を持ち、操作するのが見える
たまたま外に出ていた主人が驚いた顔で分娩室に入ってきた
私たちは立ち会い出産は希望していなかった
主人は血が苦手だし、私も取り上げる瞬間はなんとなくいてほしくなかった
「ご主人は立ち会い希望されていません!」
最初からいてくれた担当助産師が叫ぶ
だがしかし
後から入ってきたベテラン風の助産師が出ようとした主人を
「ここまで来たんだから見ていきなさい!」
と一喝
枕元に慌てて彼が駆け寄ってきた
「な、なにがあったの⁈」
答えられる暇はない
見て判断しとくれ
院長先生が
「いいよーいきんで」
これまでいきむなって言われてきたので思わず
「いいんですかっ⁈」
と聞いてしまう
いきんで、一回、もう一度、
ズルっ、、
と何かでっかいものが滑り出た
ちらっと赤紫色の身体が見えた
泣かない。。
みんなバタバタしている
…ギャアアァ
泣き声が聞こえた
よかった、息してる。。
ただ、無酸素の状態が続いたために、保育器に入れられることになった我が子
3760gなのにまさか保育器に入れられるとは思いもしなかったわ
だから産まれたばっかの顔は、見られなかった。
とりあえず念のためだから安心してね!と助産師に言われたけど、カラッポになったお腹を感じながら、ただ呆然としていた。