一日の始まりが最悪なら、
その日一日は良い事がない。
これがあたしのジンクス。
昔からそう。
模試の結果が返ってきたけど
今までで一番最悪だった。
気分が冴えないまま家に帰ると
うちの前に見慣れない車が止まっていた。
「ただいまー」
リビングのドアを開けると
久しい顔がひょっこりと覗いた。
「じょんすおっぱ!」
『お帰り~待ってたよ~』
久しぶりに会えた嬉しさに
兄の胸に飛び込んだ。
数年ぶりの再会だもん。
『元気だった?久しぶりだね?』
にっこりと笑うと
片側の頬にくっきりと見えるえくぼ。
お兄ちゃんのトレードマーク。
「どうしたの?こっちに戻ってきたの?」
『そうなんだ、仕事の都合でね。当分こっちにいるよ。』
お兄ちゃんは10個歳が離れてる。
いつでも優しくて、頼りになる自慢の兄だ。
「あ、そういえばお兄ちゃん車買ったの?家の前に停めてるやつ。」
『いや荷物を運ぶのに借りただけだよ、今から返しに行くんだ。』
そう言うとにっこりと笑ってこう言った。
『お前も一緒に行く?ドライブしようか♪』