Sweet Dream*from SuperJunior & SHINee -2ページ目

Sweet Dream*from SuperJunior & SHINee

SuperjuniorとSHINeeの小説を書いています。
全てフィクションです。

一日の始まりが最悪なら、

その日一日は良い事がない。

 

これがあたしのジンクス。

昔からそう。

 

模試の結果が返ってきたけど

今までで一番最悪だった。

 

 

気分が冴えないまま家に帰ると

うちの前に見慣れない車が止まっていた。

 

 

「ただいまー」

 

 

リビングのドアを開けると

久しい顔がひょっこりと覗いた。

 

 

「じょんすおっぱ!」

 

『お帰り~待ってたよ~』

 

 

久しぶりに会えた嬉しさに

兄の胸に飛び込んだ。

 

数年ぶりの再会だもん。

 

 

『元気だった?久しぶりだね?』

 

 

にっこりと笑うと

片側の頬にくっきりと見えるえくぼ。

お兄ちゃんのトレードマーク。

 

 

「どうしたの?こっちに戻ってきたの?」

 

『そうなんだ、仕事の都合でね。当分こっちにいるよ。』

 

 

お兄ちゃんは10個歳が離れてる。

いつでも優しくて、頼りになる自慢の兄だ。

 

 

「あ、そういえばお兄ちゃん車買ったの?家の前に停めてるやつ。」

 

『いや荷物を運ぶのに借りただけだよ、今から返しに行くんだ。』

 

 

そう言うとにっこりと笑ってこう言った。

 

 

『お前も一緒に行く?ドライブしようか♪』

 

 

「あ~うまくいかない!」

 

 

イライラしながら鏡を覗き込む。

 

寝不足でクマは出来てるし

顔色も悪い。

いつもならスっとまとまる髪もまとまらない。

 

コテで軽く全体を巻いてから

少し高めの位置でキュッとひとまとめにする。

 

 

「よし!できた!」

 

 

おっぱ、気づいてる?

あたしあの日からずっとポニーテールなんだよ?

 

 

時計を確認して、家を出る。

何とかいつもの電車に間に合いそう。

 

ジリジリと焼けつくような太陽の日差しで

一気に体が汗ばむ。

 

ポニーテールにした髪が、べたりと首に張り付いた。

 

分かってる。
どれもこれも運だって。
 
でも夢見るくらいいいじゃない?
絶対無理だと分かってるけど
少しくらいは期待させて。
 
 
彼が目の前を歩いてくる。
 
わたしが手に持っていた
スローガンに気づいてくれて
ふわっと投げた。
 
手に持っていた赤いバラを。
 
 
 
「ねえ!見たでしょ?幸せすぎる!!!」
 
目の前に運ばれて来た
生ビールをグイッと飲み、
勢いよく机に置いた。
 
『分かったから落ち着きなって』

クスクスと笑いながら
わたしが置いたグラスを
こぼさなようにスッと避けてくれる。

「幸せ者だよ、ももは。」



稲田もも。
31歳。
もちろん独身、彼氏なし。

この歳になって
初めてアイドルというものに
ハマってしまった。

馬鹿げていると言われても
好きなものは好き。

そして今日、
その大好きなアイドルのライブで
一生分の運を使い果たしたかもしれない。