目が覚めると見た事のある天井だった。
それにバニラの香りに包まれている。
まだ熱があるのかぼーっとしていて、体がうまく動かない。
起き上がろうとすると体が重い。
ふと上体だけ起こすと隣にマスクをしたテミンが寝ていた。
ぐるっと部屋を見渡すと
そこは一度だけ入った事のあるテミンの部屋だった。
(何でここにいるの…?)
思い出そうとすると頭がガンガンと痛み
何にも思い出せそうにない。
隣で寝ているテミンを見ると自然と涙が出た。
会いたくて会いたくて仕方なかったのに
こんな形で会う事になってしまったのが辛すぎる。
彼のふわふわの髪の毛が愛しさを越えて悲しみに変わる。
テミン『そうやって、いつも1人で泣いてたの…?』
寝ているのだと思っていた彼が目を開けた。
泣いている顔を見られたくなくて
自分にかけられていたタオルケットで顔を隠す。
そのタオルケットさえもテミンの香りでいっぱいで
こらえきれない気持ちがこみ上げる。
テミン『僕…そんなに頼りない?』
彼があたしの髪の毛をゆっくりと撫でる。
そしてタオルケットごとあたしを抱きしめた。
テミン『僕、あみのためならどこにでも行けるよ?』
ゆっくりとあたしに巻きついているタオルケットをおろし
彼はあたしの顔を覗き込んだ。
テミン『会いたいのは僕も同じだから…』
そう言って力強く抱きしめてきた。
ここだった、あたしの居たい場所は。
テミン『昨日も調子悪かったでしょ?』
『え?』
テミンはベッドから降りて自分の携帯を出してきた。
メールの受信ボックスを開き、あたしに見せる。
テミン『見て。』
そこにはあたしからのメールが並んでいた。
ただ送った記憶のないメールがあった。
『……?』
その時ハッと気がついた。
送ろうとして送れなかったメールだ。
昨日も熱があって携帯を握り締めたまま寝てしまったから
そのときに彼に送ってしまっていたようだ。
テミン『昨日これ見た瞬間、飛んで行こうかと思った。
いつもこんなに我慢してるんだったら、って思うといても立ってもいられなくて。』
また涙が溢れた。
テミン『いつでも言ってくれたらいいのに…迷惑だとか思ってた?』
核心を突かれて言葉にならないほど泣きじゃくった。
あたしが思っている以上に彼はあたしの事を想ってくれている。。
テミン『台湾から戻ってきたらオフだったから日本に行こうと思ってたんだ。
それなのに韓国にいるから驚いた。』
まだ熱のあるあたしのおでこの髪を掻き分け
愛おしそうに自分の唇を押し当てた。
テミン『コッチにいるなら…いつでも会えるじゃん…』