あれから数日が経った。
点滴のおかげか彼の体調もよくなり
あたしも学校とバイトといつも通りの毎日を送っていた。
昨日彼からの電話で、明日カフェに行くと連絡が来た。
久々なのできっとファンが駆けつけるだろう。
『ジョンウン:閉店後実家で食事しよう。』
予想もしなかった内容に驚いた。
まさか彼の実家で食事をするだなんて。
きっとジョンジン君に話すつもりなんだろう。
だけど実家となるとご両親もいるのに…
そわそわしながらカフェに向かう。
ジョンジン「ヌナ!お疲れ様です^^」
ジョンジン君がいつもと変わらない笑顔で話しかけてくれた。
相変わらず忙しそうだが、まだ店内は比較的空いていた。
制服に着替えホールに出る。
ジョンジン「今日は1時間後くらいにヒョンが来ると思います^^」
「はい^^分かりました。」
ジョンジン「閉店後家に寄ってくださいね^^みんなで食事しようって。」
「あ…あたしなんかがお邪魔していいのかな…」
ジョンジン「大丈夫ですよ^^オンマが待ってますから♪」
ジョンジン君の言葉にホッとしたのか
トレーを下げてくる時にマグカップを落として割ってしまった。
ガッシャーンっ
店内に大きな音が響く。
足元に割れたマグカップの破片が散らばっている。
急いで拾おうとした瞬間、手を止められた。
ジョンウン「手、切れるぞ。」
あたしの手を持ったまま、足で破片をまとめる。
ジョンウン「ジョンジン、掃除機だして。」
あたしを立ち上がらせると、
コート脱がずに掃除機で破片を片付けてくれた。
「あたしがやります!」
ハッとわれに返り彼から掃除機を奪おうとすると
クスクスと笑って自分のリュックを渡してきた。
ジョンウン「これ控え室に置いてきて。中にお土産入ってる。」
「お土産?あたしに?」
ジョンウン「ん。前に食べたいって言ってたやつ^^」
「うそ…買ってきてくれたの?」
ジョンウン「残念。差し入れで貰ったからそのまま持ってきたww」
「なっ!?みんな食べるかもしれないのに…」
ジョンウン「ほらそこも掃除機かけるから早く持って行って。」
何だか腑に落ちない感じだが
言われた通りに彼のリュックを控え室に置きに行く。
言ってる間にカフェの前が騒がしくなってきた。
きっと彼目当てでファンが集まってきたのだろう。
さっきの一瞬はジョンウンさんだったけど
今店内に戻ると彼は「イェソン」になる。
少し寂しい気もするけど、それが彼の仕事だもんね。
ジョンジン君の呼ぶ声がする。
彼の匂いのするリュックを置き、急いで店内に戻る。