僕は今まで何をするために生きてきたのだろうか。
何か生きる理由があったはずなんだ。
こうして、ただのうのうと生きていくだけ。浪費をただ繰り返し、生産性の無い生を続けることに、果たして意味なんてあるのだろうか。
こんな僕よりも生きなければならない人はもっと、たくさんいるはずだ。
例えば貧困に苦しんでいる子供たちや、愛情を受けずに奴隷のようにすごす人たち。
生きているとは到底言えないようなその一生を、僕のそれと取り替えることができたなら。
生きている意味ってなんだ。
僕が僕である理由ってなんだ。
ただ、一つだけ言えるのはいまの僕の生きてきた一生は誰が生きたってきっと同じだろうということだ。
まだ14年程度しか生きていないけれど、ぼんやりとそう感じる。
高い学費と安くはない生活費。
わがままにも欲しいものをねだり、得た物はもて余した暇を潰す為の言ってしまえばゴミなのだ。
そこに価値を見出だすことも、それを極めることさえしない。
ただ人並みのことをただ人並みにしかこなせない。
こなそうとしない無気力な僕。
よく僕らの年代では自分を特別な存在なんじゃないかって錯覚する何てことを聞くけれど、僕は間違ってもそうは思えない。
だって、僕が特別ならその特別が僕の生きる理由になるはずだから。
生きている意味が見いだせるはずだから。
学校からの帰り道にすれ違っていく人の表情が嫌に目につく。
自意識が過剰になってしまっているのだとわかっているのに、どうしても視線が気になってそれを追いかけてしまう。
目が合うとすぐに反らす人。
目があっているのに気まずさを感じつつもそらさない人。
睨み付けてくる人。
僕のことなんて、気にもとめていない人。
ただただ人の視線をたどっていく。
そして気付く。
誰も僕なんかを見てはいないことを。
だから、僕は一歩を踏み出した。
真っ赤に輝く光に向かって、大きく大きく。
白と黒のストライプが迎えてくれる。
僕を存在を肯定して、認めてくれる。
そして右から轟音をたてて大きな存在が走ってくる。
あぁ、僕は死ぬ。そして生きたことをここに残そう。
目を閉じた瞬間体が大きく後ろに引っ張られる。
はっとして目を開けるとそこには顔を青ざめた女性の姿があった。
とても必死そうなその表情が現実感を否応なく引き戻す。
自身の妄執にとりつかれていたことに気付く。
女性は声をあらげ、必死に何かを訴えている。
その言葉は頭に届くことはなかった。
ただ、ただかっこよかった。僕自身が求めていた、生きる理由がそこにあった。
呆然として、徐々に落ち着きを取り戻す頭で理解した。
そうか、僕はこうなりたかったんだ、と。
だから迷わなかった。
右手に隠した狂気が簡単に女性のココロを貫いた。
夕方の交差点で新しい僕が産声をあげる。
絶叫がこだまし、ただただ耳に心地いい恐怖が僕のココロを、生き物としてのセイを満たしていく。
新しい僕の生活がはじまる。
終