僕にはとある秘密がある。いや、僕たちにはといったほうがいいのかな。
「ねぇ、ミキ今日も、する、よね?」
「マサトが、いやじゃないなら私は……したいな……」
「うん。ミキ……」
二人の吐息が甘く交わる距離。
ミキの長い髪を優しくなでる。ほのかな花の香り。
僕はシャツのボタンを上から一つ、二つと空ける。
ミキの息が少しだけ止まる。頬が紅潮して少し緊張しているのがわかった。
もう一度、愛しい名前を呼ぶ。
「ミキ」
右肩がするりとあらわになると、いっそうにミキの表情は赤みを増す。
「いいよ。きて」
その言葉はミキの心のストッパーをはずすには十分過ぎる効果をもたらした。
僕とミキはひとつになる。それが二人の秘密。
交わり、熱が体の奥に染み込んで行く。
「……んっ!み、みきぃ……!」
苦しさと少しの興奮と光悦の声に返る言葉はない
ただただ自分と彼女が一つになる感覚だけが頭を埋め尽くしていく。
「みき……そろ、そろ……」
意識が不安定になりそう訴えると、彼女は名残惜しそうに僕から身を離す。
「まさと……」
「ごめんね、ぼくのことばっかり……」
「ううん。わたしこそ……いた、かったかな?」
「うん。少しだけ」
小さく笑ったつもりだったが、彼女の表情が少し曇る。
(逆効果だった、かなぁ)
「ありがとう。まさと」
「それより、どうだったかな?」
「いつもどうり」
「そっかならよかった」
そう言って少しうつむく僕を、みきはやさしく抱きしめる。
「おいしかったよ。マサトの、ち」
ミキの少し鋭さを増した八重歯が頬に当たる。
「内緒だよ、ミキ」
「うん、内緒だねマサト」
そのときの空は雲ひとつない青空だった。
僕とミキの秘密の一日。