診察の日のこと。

会った時から

「お昼は餃子食べたいなあ」と

ウキウキしていた。

 

しかし 先生からはドンヨリするような話。

病院を出る時に おそるおそる

「餃子でいいの?」と聞いたら

「なんも食べられへんわ」と

助手席から返事が返ってきた。

 

そうだ。

9年前初めて告知を受けた日の帰りも

”のどがペタッとくっついたようで

食べ物を受け付けない”と言ってた。

父とワタシは どう対応したものか

困った顔して目を合わせてたっけ。

 

…なんて風に 過去に思いを馳せていたが

どうも母の口調に笑いが含まれている気がして

ちらりと隣を見ると やっぱニヤニヤしてる。

 

「な~んてね。食べるよ~ しっかりと!」

「昔と違って逞しくなったから!」と

食べる気満々で カラカラと笑っていた。

 

もしかしたら心配かけまいと頑張ってるのかも。

だけど食べるって言うてるんやから

その勢いに乗っかりましょう。


 

その日の買い物でも いつものように

80歳オーバーのひとり暮らしがんサバイバー

とは思えないような量の食料品を買い込み

それをしっかり消費しているようなので

ただの強がりじゃなく ホントに食欲ありそう。

 

 

良きことかな。

恐れている気管支鏡検査に

じわじわ向かっている日々だが

食欲は衰えていない。

 

 

ワタシも胃を痛めてクヨクヨしてる場合ではない。