過去は変えられないけど未来は変えられるって嘘?

 

あの頃に戻りたい。

あの頃は良かった。

  

あの時の失敗を取り戻したい。

あそこでああしなければ。

 

私達は、ついつい過去を振り返っては

そんなことを思ってしまうことがありますよね。

 

私もそう思うことは沢山あります。

 

 

ですが、

戻りたいか?

と言われると。

戻りたくはありません。

 

何故か?

 

あの時の自分に戻ったところで

どのみち同じ選択をするし、

もし違う道を選んだとしても、

きっとたどり着くところは一緒だろう、

と思うから。

 

富士山の5合目までバスで行っても、

麓から歩いて登っても。

結局行き着くところは同じ富士山のてっぺん。

 

じゃあ、一度登ったんだから、

もういいじゃん。

そんなことを思うわけです。

 

既に見た過去を

何度も繰り返す必要は無い。

そう思ってます。

 

 

過去は本当に不変なのか?

 

確かに、過去の事実は変わらないのかもしれません。

ですが、こんな経験はありませんか?

 

友人と喧嘩をしてしまった。

している最中はとにかく辛くて辛くてたまらない。

 

けれど、仲直りしてしまえば、

一体何が原因で喧嘩をしたのか、

そもそも喧嘩を

していたことすら忘れてしまう。

 

 

もしくは、

 

信頼していた人に裏切られた。

その時は絶望の淵に立たされたけど、

あの時手を差し伸べてくれた人と、

今もずっと一緒に居る。

 

 

他にも、

一緒に住んでいた時はただただ

うっとおしいとしか思わなかった

両親に対して、尊敬と感謝の念が湧いてきた。

 

 

好きだった時はとにかくめちゃめちゃカッコよくて

自慢の彼氏だったけど、

今となっては何であんなモラハラ野郎が良かったのか

さっぱり分からない。

 

 

等々、

何かしらの心当たりがあるのではないでしょうか。

 

 

今が変わればその瞬間、

過去の意味は一瞬で変わります。

 

そして、私達が事実だと思っていることも、

 

誰かに言われてそう信じ込んでいることだったり、

時が流れるにつれて記憶が曖昧になって

自分の中で勝手に書き換えられたものだったり。

 

ある親戚のおじさんからすれば

自分は愛想が悪くて可愛げのない子供だったかもしれません。

 

ですが、10歳上の従姉からすれば、

いつもニコニコしていて可愛らしい子供だったかもしれません。

 

誰がどういう視点で語るのか?

そして、自分がどういう捉え方をするのか?

 

それによって同じ事実がバラ色に見えたり、黒歴史に見えたり(笑)

 

それくらい、過去って曖昧なものだと思っています。

 

 

じゃあ、未来は変えられるのか?

 

過去は曖昧で、

どう捉えるかで一瞬で別のものになる。

そんなことを書きました。

 

では、未来はどうでしょうか?

 

未来は変えられるといえば変えられるし、

変えられないといえば変えられません。

 

 

何故なら。

未来はまだ見たことが無いから。

変わった結果なのか変わらなかった結果なのか

比べようがないのです。

 

 

ですが、

今の行動によって未来が作られる

のも事実です。

 

明日の朝までに仕上げなければならない資料があるとして、

それを徹夜をしてでもやろうと最後までやれば仕上がります。

 

途中で力尽きて寝てしまえば、

絶望の朝を迎えることになります。

 

 

ただ、

ひょっとしたらその日は朝から豪雨で

電車が止まっていて。

会社は急遽休みになり、あなたはザーザーと降り続く雨音を

BGMに、資料を難なく仕上げて結果オーライ!

なんてこともあるかもしれません。

 

 

そもそも、起きてすらいない、

何がどうなるのかを誰も知らない。

 

これが変わったからといって、

未来が変わった!!

そんな事を誰が確定出来るのでしょう?

 

 

なので、私は

未来は変えられるとも言えるし、

変えられないとも言える。

そんな風に思います。

 

 

さて。

ここまで読んでくださったあなたは、

どう思いますか?

 

 

そもそも、時間軸は過去から未来に流れているの?

 

と、ここまでくると、もはや量子力学とか哲学の話に

なってきそうですね。

 

ここを語りだすと長くなるので、

また別の機会にしますが。

 

 

時間が流れれば流れるほど人は成長し、

一方で終わりに向かって少しずつ衰えていく。

これ、本当なんですかね?

 

過去のあなたの方が今のあなたより優れている面も、

過去より今の方が若返っていることだってある。

 

 

登山家で有名な三浦雄一郎さんは、

60歳を過ぎてから

登山を始められたそうです。

 

年齢を重ねることは止められません。

ですが、スタートを切る、

変わることはいつだって出来るんです。

 

 

で。

何故私がこんなことを書いているのか?

 

それはですね。

学生時代にやっていたクラリネットを

20年ぶりにやろうと思ったら。

 

びっくりするくらい

音が出ない!!

 

 

もうね、

これには絶望しかありませんでした(笑)

 

 

もちろん、

リードの合う合わない、

マウスピースが馴染んでいない、

リガチャーの劣化、等々。

 

色々な要因はあります。

注文していたリードが届いたのが夜だったため、

あまり長時間試し吹きが出来なかったのもあります。

 

 

ただし、確実に言えることが一つ。

「20年前の自分の音は、絶対に出せない」

ということです。

 

学生時代、

授業が終わってからの数時間、

土日は終日練習。

 

それだけみっちりやっていたからこそ、

何時間吹いても疲れなかったし

コンサートホールに

自分の音だけを響かせる、

なんてことも出来たわけです。

 

 

それが、今では。

20年のブランク、

事務仕事ばかりで落ちまくっている体力。

 

リードをマウスピースにセットする

手付きすらおぼつかない自分に、

正直かなりショックでした(笑)

 

 

で。

ここで一番やってはいかんこと。

 

それは、

「かつての自分の音を

取り戻そうとすること」

 

です。

 

 

何故か?

それは次回、

中学の部活引退から高校入学までの

半年のブランクを経て、

私自身に訪れた暗黒時代について触れながら

お伝えしていきます。

 

 

それでは、今回はこの辺で。