人よりも 贅沢をしたい
人よりも 幸せでありたい
人よりも 人よりも
人よりも多くのものを望む気持
生きる為にあるのだろう
動物として填め込まれたDNA
野生の本能でもあろう欲望は
人が進化する度に知能も知恵も
時を重ねる事に発達しては
自ら達を滅ぼし行く自滅の為の
猛毒になってしまったのであろう
治まらない気持
もっともっと欲しいと叫ぶ
強い欲望は溢れはみ出して
世の中を覆い尽くしている
人が道徳から外れる時
人として生きる道から出た時に
諸悪を犯す人の心の中には
罪を罪として自覚しない
麻酔のような液体が出て
心の動きを麻痺させては
なにも感じない人を創り出し
やがて同じ心の人を探しては
大勢集めようと動き出し
一つの力としての
諸悪の道の根元が創られ
道徳や人の倫理すらも
自分達に都合良く塗り替えて
今まで居た現実よりも
もっと上の人となり
更に上を目指す者が出ては
世の中に放たれ続けて行く
もっと もっと人よりも
もっとと求める欲望から
二度と逃れられなった人々は
更に人が 見ていなければ
更に人に 叱られなければ
更に人に 知られなければ
人の目を盗む人の道から外れた
行動を増幅させ信頼と信用すらも
価値の無いものとして嘲笑い
罪を犯しても罰を受ける事のない
自ら達の住処を創り上げ
そのもっとは更に強くなり
もう少しだけもう少しだけと
道徳心が失われた人よりも強い欲望は
月の引力に引き寄せられ
二度と帰らぬ波となるのだろう
一度悪い方向に流れてしまえば
坂道を転がる石ころのように
何処までも終わりのない坂道を
転がり落ちて行き
人よりも 幸せになりたい
人よりも 贅沢をしたい
人よりも 出世がしたい
人よりも 人よりも
人よりも上をと目指す事が
人の向上心に繋がるのだと
人々を説き伏せながら
人は人よりも努力をすれば
人よりも上になれる
人よりも努力すれば立派になれる
人よりも上に立てば収入が増える
人よりも幸せになれる
人から偉いと敬われる
人として毎日が幸せな
生活を送る事が出来る
競争心があってこそ
人は成長を続けられ
人と人との間に
優越があってこそ
人は人とは違う幸せを
感じ取れる訳なのだから
全てが同じではない
人と人とを分ける
格差があるのが当然であると
偉い学者先生が紐解けば
人々はその言葉に流され
言われたように人と人とを
比較する基準の線を引き
基準を元にした格差から
自分の居る場所を確認をして
人と違う生活をしながら
人と違う生き方をしながら
誰が創りだしたのか
標準の線を気にしては
頑張った人かそうでない人か
他人が評価する中に
しっかりと填められ比べられ
その基準線の上か下で
住む世界が強制的に定めらる社会
標準を切る者は向上心がない者として
遣る気のない者の烙印を押され
それが老いでも心身の障害でも
どんな理由であろうとも
全く加味されない判断は
常に不幸なもの下の者として
社会の中に置かれてしまい
情け容赦のない判断は
人は努力によって成長して行ける
努力しない者は
生きる意欲もなくなり
その人の未来などは決してないのだと
人々の士気を高揚させる
話を組み立て説き伏せて
上手く出来た言葉で従わせ
自らは胡座を掻き
人を働かせている者
頭脳だけで人を動かしながら
人よりも働かずして
人の上に立つ事で人とのその差に
優越感を味わう者達を
この世で最も幸せな
生活を営んでいる立派な人なのだと
人々は崇め称え
その者に近づこうと
もっともっとの欲望生活を
いつまでも休まずに続けている
もう少し幸せを分けて下さいと
みそぼらしい姿で街中を歩く
人の情けを喰い物にして生きる
自らはなにもしない
全て人任せで生きている
生きる事に対して活気が失せた
まるで世を捨て去った者にも見える
何もかも貧しくなった生き方を
続けている悲しい人も居る中で
家も持たず貧しいながらも
日々を自由に暮らす人もいて
ひもじいだろうからと
押し付けた情けではなく
本来の人の優しさから助け歩く
人々の姿も同じ社会の中にあり
反対に全てに関して無関心
他人の事には目も向けない
自分が得られるものしか興味のない
まるで社会の中の物乞い達が
そこ此処に溢れ現れ出しては
個人の権利を主張しながら騒ぎ立て
生活の糧を求めてはお情け頂戴と
自らの事だけに行列を成す
道を覆い尽くす
醜い人の心の流れは
街を取り囲む溝川の如く
悪臭を放っては
人々を不快な思いにさせながら
自分達に関係のない
政治や政治家には興味もなく
テレビジョンに映し出された
有名人だからと
票を投じてしまう
何もかもが不真面目な
社会とは自分の為だけに
あるものだと豪語する
身の回り半径9寸9分の
狭い世の中で生きる者も居て
何処でも 彼処でも
もっと もっとの声は止まずに
全てをよこせ
全ては我々のものだ
そんな声まで聞こえてくる
地獄の鬼が死人を貪り喰らう
世紀末のような始末の世の中に
既に成ってしまったのであろう