とうとう雪が積もりました。久しぶりに見た雪の白、なにか、とても新鮮に感じます。
唐松の葉が落ち、北風が強くなり、学校まで歩くと耳がシャッこくなって
雪虫が飛んでいたから、もう降るのかな、明日頃には降るのかな
朝起きたら、学校が臨時休校になるぐらいに、いっぱい積もっていないかな
冬が辛いなんて感じることもなかった、あの頃を想い出してしまいました。
母が編んでくれた毛糸のボッコ手袋(通称ボッコ手袋:親指だけ別になっている形状の手袋)
片方ずつ毛糸を三つ編みの紐で結ばれて、はしゃぎすぎてなくさぬように、なくして片方の手が
しゃっこくならない様にと、優しい心も編み込まれていた、温々の手袋
ちょっぴり裕福な家の友達は、五本指の手袋をしていたっけな、それがなんか格好良く見えて
とっても羨ましかったな、だけど、五本指の手袋は、一度濡れたら指がすんごく冷たくなるんだ
ちょっと長い間、雪遊びをしていたら、しゃっこいよって家に帰っていたもんな
ボッコ手袋は、やっぱり生活の知恵が詰まった、寒冷地向けの形状だったんだと思う。
だけど雪玉を握る時には、濡れた毛糸が凍って雪にふっついて、丸くするのにもちょっと
コツが必要だったりしたけれど、それもなんか良い思い出として残ってる。
冬の夕方は、陽が落ちるのが早いから、学校から帰ってから遊ぶ時間が短かった。
雪がいっぱい積もって雪山が道路に出来たら、直ぐに坂を造って雪車遊び
プラスチックのミニスキーとかも、あれって、メーカーによって折れやすいのがあった
買って何回も乗らずに、ポキッ、泣いて父さんに頼んで、半田か何かのコテで
解かしてくっっけて貰ったけど、やっぱり直ぐに、ポキッ、お年玉が待ち遠しかった。
冒険心が旺盛で、友達と何人かで凍った十勝川も横断したっけな
途中で怖いって尻込みしていた友達もいたっけな、あの時、氷が割れたら確実に死んでた筈
だって、氷の下に水が流れていたのが見えてたもん。今、思い返してもゾッとする。
だけど、あの時に、渡った友達だけの秘密なんだ、先生や親に知られたら怒られるもん
ないしょだよって、あの時の友達も、みんな住む場所も変わってしまってさ
連絡も取れないから、何かの機会にバッタリと出会うしかないのだろう。
外で沢山遊んで、すっかり濡らしてしまったボッコ手袋を、白や緑や青の小さなタイルが
張られている長四角のストーブ台上に、これぞ鉄色と強そうな顔をした、ドンと置かれた
石炭ストーブの、太い煙突に取り付けられた、廃熱利用の湯沸かし器、その蓋の上に置いて
学校に行く頃までには、しっかりと乾かしておいて、朝、ストーブに火を入れられて
ちょうど良い具合に手袋も温められていて、冷たい空気の中を真っ白な息を吐きながら
だれだれちゃん、がっこいこって、呼ぶの、
やっぱりあの頃が懐かしいな。戻りたいな。
劇場映画 オールディズ 3丁目の夕陽 懐かしき 良き時代
みんなも あの頃に 戻りたがっているんだろな。