スケート離れ修行へ「自分が変わりたい」高橋大輔
正式に引退を表明してから3カ月。現役生活は遠い昔のように感じる。
現役時代は、正月2日から練習で正月気分は全く関係なかったけれど、今年は久々に、年が明けて晴れやかな正月気分を味わい、現役じゃないんだな、とあらためて思った。
以前は週1日だった休みも今は土日は休み、練習は気が向いたときだけ。足のタコもなくなった。
練習に行かなくても誰からもとがめられないのも、現役ではなくなった証しだなと思う。
試合に出ていない自分にも驚くほど違和感はなく、寂しさもない。
フィギュアスケートのシーズン真っただ中の今、僕は試合を見ることもなく、むしろ世界で闘える若い選手がどんどん出てきていることを楽しみに素直に応援している。
期待に応える喜び
今後少しショーの予定があるけれど、それ以降はスケートから離れしばらくアメリカで修行しようと思っている。英語の習得が最大の目的だから、期間はあまり限定していない。
都市など地域はリサーチ中だけれど、アメリカを選んだのは、住みやすさのほか、ダンスを習ったり、舞台や芸術に触れたり、多様な文化や人種からの刺激を受けられそうだから。
僕はどうしても甘えてしまう受け身な性格で社会経験も少ないので、厳しい環境に置いて、自ら一人で躊躇(ちゅうちょ)せず積極的に動けるような行動力や判断力を身につけたい。
スケートを目的とした考え方はせず、スケートに対する気持ちも根本から見直そうと思っている。
実は、現役生活の最後の2年ほどは、自分が本当にスケートが好きなのか疑問に思うことがあった。
僕自身は「スケートそのものが好き」というよりも、期待されて応えることに喜びを感じて競技をしていた部分が大きかったのだと思う。
そのせいか、その期待や時代の変化を気にしすぎて自分に自信を持てなくなって、モチベーションが上がらなくなった。
それが引退を加速させた部分もあったと思う。
ソチ五輪後は心が疲れきってしまい、スケートに対して気持ちが戻ってこなかった。
失った自信を取り戻すためにも一度スケートから離れるほうがいいと思った。
空っぽにして次へ
そんな自分の正直な思いを、今回は自著『2000days』に全て置いていくことにした。
読者やファンの方にとっては辛辣(しんらつ)な内容もあるかもしれないけれど、
本という形で全ての本音を吐き出すことによって僕自身は空っぽにできて、ようやく次に進める気がする。
発売後は、それまではなかなか言えなかった自分の正直な思いを公言できるようになったことで、
僕は今、とても心がスッキリして軽くなっている。
引退後アイスショーに出て、人前で滑ることの楽しさは感じた。
さまざまな仕事の中で一番自分が素直にできる。
でも「プロ」スケーターという肩書としてではなく、
アメリカに行くまでの少しの間楽しもうという感じで、
「フィギュア」スケーターという肩書の方がしっくりきている。
僕はアメリカに行ってからが自分の本当の変化、
とにかくまずは修行に行かなければ変われないと思っているから、
今は自分の気持ちに素直に動き、肩書は重要ではないと感じている。
イメージしている将来像は全くないし、もちろん不安はあるけれど、
自分が変わりたい、という思いは強く、今は「自分が変化すること」に期待が大きい。
これまで選手として注いできたのと同じくらいのエネルギーをもって、
真の意味でやりがいを感じて誠実に臨めるものを見つけたい。
「負けを知る」こと
20年の競技生活はアッという間で、
特に選手としての明確な意識を持ちだした後半の10年は、
自分の想像をはるかに超えた10年だった。
この年月の全てが今の自分を作ってくれた財産で、競技をしていなかったら、
東京に行くことすらなくて、性格はもっと暗くて下を向いていたかもしれない(笑)。
競技生活を続けてよかったと思うことは、
「負けを知る」ということ。
人生にはどんなに努力して頑張っても報われないことがある、
ということを自然に学んできたから、
これからの人生でも簡単にあきらめずに粘ることができるのではないかと思う。
バンクーバー五輪後からこの連載を始めて4年間、
お世話になり、ありがとうございました。
まさにタイトルどおり「冷静と情熱のあいだ」でした。
冷静すぎても熱すぎてもダメ。
そのバランスをうまく取りながら進むのが一番難しいと感じてきた。
この連載も今回で一区切り。
こうやっていろいろとひとつずつ終わっていく実感はあるけれど、
今の僕にとっては次に進むためには全てをバン!となくしていくくらいのほうがいいと思っている。
しばらくこの紙面でお会いすることはなくなりますが、いつの日かまた。
(構成:ライター かしわぎ なおこ/撮影:フォトグラファー 渡辺真一/SANKEI EXPRESS)
以上前文掲載
27才から28才の頃は大体みんな似た様に悩むのかもしれない
例えばきらきらが27才の頃周りに言っていたセリフにそっくり部分
「
同じだヽ(;´Д`)ノ
最近の友人の話
「27才の子供が仕事を辞めると言っている。復職しようと思っても厳しい現実を話した。
親を頼りにしないでくれと厳しく言った。27才28才はマダマダ子供だよ~」
とまあ過保護な親(友人)は子供を
難しい・・・親にすれば幾つになっても子供は子供だから(;^_^A
しかし社会に出て長~く生きていても甘えん坊で子供みたいな人は大勢いる
競技者としてトップに成った高橋大輔氏はトップ選手にしか判らない
様々な知識や経験を知らず知らずの内に見につけている
世界最高得点を取り世界ランク1位で五輪金メダルに1番近い選手だった年に
多くの人が再起不能だと思っていた酷すぎる怪我を経験した
他には誰もいません
奇跡の復活を魅せた

総ての選手に希望の光を見せた




本人が気付いていないだけで別の所では立派に自立しているのだが
これは何処の世界でも同様だろう
若い時は未だ見ぬ未知の世界が見たいし
将来の為にモット勉強したいものだ
スキルアップ

アイスショーの仕事が終わったら
未知の世界へ旅立つ

でもね
高橋大輔君のいない試合は寂しい・・・
確かに若い世代も面白いだろう
海外も見ると男が踊ってる

高橋大輔君の様な
ダンサーみたいに踊る男が増えている
面白いけど
やっぱり
高橋大輔君の試合の時の顔が見たいと思う
今は本当に幼い顔に成っている
将来また帰ってくる事を願っている

楽しみに待っている

世界征服して帰って来てねヾ(@°▽°@)ノ


五輪で金を取って欲しい選手は取れないと良く言われる・・・
高橋大輔君に五輪で金を取って欲しいと願っていた人は世界中にいるよ
今でもね
見果てぬ夢・・・・だろうか
夢は稔り難く 敵は数多なりとも
胸に悲しみを秘めて 我は勇みて行かん
道は極め難く 腕は疲れ果つとも
遠き星をめざして 我は歩み続けん
これこそは我が宿命(さだめ)
汚れ果てしこの世から 正しきを救うために
如何に望み薄く 遥かなりとも
やがて いつの日か光満ちて 永遠の眠りに就く時来らん
たとえ傷つくとも 力ふり絞りて
我は歩み続けん あの星の許へ
(福井峻訳「見果てぬ夢」)
追記
高橋大輔氏を本当に大事にして欲しかった
彼を引退へと加速させたのは(太字部分)
彼の近くにいた周りの汚れ果てたこの世の敵だった