ガラスの心臓 | 銀盤の星達

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プロフィギュアスケーター高橋大輔君を応援し続けます

毎日新聞 2014年10月21日 夕刊
寝ても覚めても
冨重圭以子

ガラスの心臓

 自分にはリズム感がない、と悟ったのは、
小学校の5年か6年のころだったと思う。
運動会のダンスの練習で、私だけ、
ちょっとずれているとわかった。
 ピアノを習っていたので、
メトロノームに合わせてリズムをとるのは慣れていたはずだった。
でも、リズム通りに体を動かしているつもりなのに、遅れる。
スポーツ音痴はわかっていたが、音楽やダンスも、
自分には無理だと知った瞬間だった。
 フィギュアスケートの高橋大輔選手が現役引退を発表した。
高橋選手の演技は、卓越したステップや、
優れた表現力について語られることが多いが、
基盤には日本人離れしたリズム感があると思う。
 彼のリズム感は、メトロノームのように正確にリズムを刻むのとは、
ちょっと違う。
音楽には、それぞれ独特のリズムがある。
同じ4拍子でも、ジャズとタンゴでは明らかにリズムが違うし、
同じジャンルの音楽でも、曲によって、
あるいは演奏家によって、
リズムは微妙に違う。
 高橋選手は、そんな微妙な違いを体の動きで表現できる選手だった。
多分、音楽がなくても、彼の演技を注意深く見ていれば、
クラシックか、ラテンか、観客はわかるのではないか、と思う。
 もう一つ、引退発表で思い出した。
高橋選手はメンタルの弱さから
「ガラスの心臓」と言われていたことがあった。
最初のジャンプが成功すれば波に乗って高得点を出すが、
失敗すると、立て直せなかった。
ジャンプだけでなく、スピンやステップにまで影響が及んだものだ。
 いつ克服したのかわからない。
ただ、あの大けが以降は、グズグズに崩れることはなくなった。
バンクーバー五輪の1シーズン前の右ヒザ前十字靱帯断裂。
選手生命も危ぶまれる大けがと手術、
つらいリハビリに耐えて復活したことが、メンタル面を格段に強くしたのは間違いない。
 羽生結弦選手はじめ、いま滑っている選手はみな、
高橋選手の背中を追ってきた。
ケガとリハビリを経て復活する先輩を、身近に見てきた。
高橋選手は日本の男子フィギュアを
人気スポーツに変えた功労者だが、
後輩たちに、けがに負けない姿、
ガラスの心臓を克服した姿を見せたことが、
一番の功労だったと思う。
(専門編集委員)

昔になってしまった記事
高橋大輔スクラップブック作ろうか?と置いていた記事

ガラスの心臓は治らない・・・本人言ってたね
1人で何処でも行ける様になりたい・・・・て?
(°д°;)
1人では何処にも行けない・・・
と昔
某コーチがほざいてなかったか?

ヾ(@^▽^@)ノラブラブガンバレ高橋大輔クラッカー