今夜は島本理生さんの“あなたの愛人の名前は”を久しぶりに読んでいました。
短編集なのですが、全てのお話につながりがあって、初めて手にした時は引き込まれるように読み進めたのを覚えています。
その中で“俺だけが知らない”というお話があるのですが、最後に主人公である浅野が時折食事し体を重ねてきた瞳さんという女性から渡されるカードに
“その昔 あなたのことが 大好きで そして今では 嫌いになった”
とあり彼は心臓が凍りつくのですが、この感覚すごく分かるなぁと急に思い出して、この作品を手に取りました。
これはもしかしたら女性特有の感覚なのかもしれません。
私も同じように一時期とても惹かれて魅力的に思えたことがあるけれど、彼の素の言動を目前にして大嫌いになってしまったことがあります。
ドン引きして一気に冷めてしまった。
彼の本当の姿を見れて良かった。
ずっと知らずにいたら、時間を無駄にしてしまったと思うので。
人は皆、裏表があります。
裏表がないと周りから言われる私にも、もちろんあるのだと思います。
仕事中は、オフでも人と接している時は、自傷なんて考えたことなんてありません、うつとは無縁ですという顔をしています。
私の仕事している様子を見たことがある方からは、健常者にしか見えないと言われたこともあります。
別の方からはとてもしっかりしている、とも。
表の顔しか人は見せたがりません。
そうじゃないと仕事にならない。
物分かりが良くなれば良くなるほど、人と深く付き合うことが難しくなります。
ある程度、自分の理想とする人だと相手に期待がもてないともっと近付きたい、仲良くなりたいと願えない。望めない。
どんどん本心を隠して接するようになっていく。
隠された相手の冷ややかな目線を感じようとしたり、心の動きを読もうとしてしまう。
相手の表情や言動から内心が透けて見えても何も気付かないふりをして、その場を柔らかな純粋そうな笑顔で棘を隠した優しい言葉で気持ちの良い空間にうまく取り繕ってしまうけれど。
ちなみに、瞳さんは浅野にそのカードを渡す日、これまでとは変わって垢抜けた外見になって現れるんです。
これも、女性だからこそな気がします。
私は平均よりたぶん多くの男性とお付き合いして、たくさんの男性とワンナイトも含めて交わって
きていますが(性的逸脱だと医師に書かれましたし、自分では自傷だと思っています。気持ち悪いと思いながら自分を傷つけるとホッとしていました。時には抱かれる自分を天井から眺めていたこともあります。解離ですね。)、今の私が一番好きです。
男性とお付き合いしていない今の私が最も魅力的で私らしく心地良く生きられている気がします。
でも、愛する男性と幸せに暮らしている女性を見かけるととても幸せな気持ちになります。
もしかしたら、私も愛する男性を見つけられたら数年後にはそうしているかもしれないのだけれど。
一生男性不信でひとりで生きてる可能性も高いですけどね笑
男性なんて大嫌いです笑
性別を超えて付き合える人とだけ、付き合っていきたい。