小沢氏関連で、3人目の逮捕者です。
民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡る事件で、東京地検特捜部は公設第1秘書の大久保隆規被告(48)を政治資金規正法違反・虚偽記載容疑で逮捕しました。大久保隆規被告は、当時の会計責任者で、15日に逮捕された2人と共謀していたとされています。 小沢氏への「王手」となるのでしょうか?
「このことを知ったら小沢先生は激怒するだろう…」
2009年1月15日夜、東京地検特捜部に逮捕された衆院議員の石川知裕容疑者(36)の発言です。
数日に及んだ東京地検特捜部の聴取に対し、「単なるミス、忘れていただけ」と話していた石川容疑者は、現在では、「わざと記載しなかった」と犯意を認める供述をし、さらに「言えない、言えない」と、小沢金脈の秘密を隠し続けていると報道されています。
事件の内容を整理します。
■小沢幹事長(67)の資金管理団体「陸山会」の土地購入問題
(容疑)
政治資金規正法違反(不記載)容疑
虚偽記載容疑
(容疑者)
①元私設秘書 衆院議員・石川知裕容疑者(36)→当時の事務担当
②元私設秘書 池田光智容疑者(32)→後任の事務担当
③公設第1秘書の大久保隆規容疑者(48)→当時の会計責任者
(逮捕された場所)
①石川容疑者 東京都千代田区の帝国ホテル(15日)
②池田容疑者 千葉県鎌ケ谷市内の実家(15日)
③大久保容疑者 岩手県釜石市の大久保容疑者の自宅(16日)
(金の流れ)
・2004年10月15日
水谷建設幹部から5千万円が石川容疑者(陸山会)へ
・2004年10月18日
石川容疑者から分散した形で複数の銀行口座へ入金
⇒水谷建設からの5千万円含む3億8千数百万円を入金
⇒入金された金で東京都世田谷区の土地購入
※この金の出所を石川容疑者は「タンス預金」と供述していた
・石川容疑者は公設第1秘書の大久保隆規容疑者(41)と共謀
収入総額4億円と支出総額約3億5200万円→少なく虚偽記載
・池田容疑者は公設第1秘書の大久保隆規容疑者(41)と共謀
支出総額約3億5200万円を多く虚偽記載した17年分の収支報告書
支出総額を4億円過少に虚偽記入した19年分の収支報告書
・2004年10月29日 3つの政治関連団体より陸山会へ1億8千万円
・2004年10月 銀行から陸山会へ4億円融資(収支報告書記載分)
・2004年10月 小沢氏から陸山会へ4億円(虚偽記載分・今回容疑)
・2005年3月 小沢氏から陸山会へ4億円(虚偽記載分)
・2005年5月 陸山会から小沢氏へ4億円(虚偽記載分)
・2007年春頃 陸山会から小沢氏へ4億円(虚偽記載分)
※議員の所得公開では、2004年までの10年間小沢氏の収入は…
⇒合計 約3億5500万円
(なぜ今逮捕へ?)
①4億円の原資がヤミ献金によるものではという疑惑
②国会審議への影響を避けるため(1月18日招集の通常国会まで)
◆日本国憲法第五十条
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html
◆国会法第三十三条
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO079.html
※国会会期前に逮捕された場合
→ 衆議院が釈放の決議をした場合は釈放
③容疑者の自殺防止
14日の任意聴取で精神的に不安定な様子を見せていた
◆東京地検特捜部の佐久間達哉部長
「まさに今日逮捕しなければならない緊急性があったということだ」
「容疑者の供述内容、態度を含めて総合的に判断して、身柄確保の必要性が非常に高いと判断した」
(過去の東京地検特捜部による現職国会議員の逮捕)
・2003年年3月
政治資金規正法違反容疑 坂井隆憲元衆院議員を逮捕(有罪)
(小沢事務所の力)
・小沢事務所が「天の声」と言われたのは約30年前から
・小沢派の人間を県議会に送り込む
・知事や中央省庁の出向者などに、小沢氏の息のかかった人物を使う
・談合の「本命」への決定的な影響力を持つ
・公設第1秘書大久保隆規被告(48) 「胆沢ダムは小沢ダムだ」
・岩手県の胆沢ダム工事を下請けの中堅ゼネコン
小沢氏の政治資金パーティー券を購入 → 1人も出席せず(資金源)
(石川容疑者とは?)
・函館ラ・サール高から早大へ
・早稲田大商学部在学中に小沢氏の事務所へ
・小沢氏の自宅に住み込で洗車や庭掃除をする
・秘書へ(約9年半)
「尊敬する小沢先生の命令は絶対で、言われたらその通りにやるしかない。悪いことかどうなのか考えない。仕事を選ぶ権利はなかった」
・2005年の衆院選での立候補 → 落選
※父親は帯広市内に敷地約180㎡・3階建てのビル購入→後援事務所
・2007年3月 比例区北海道ブロックで繰り上げ当選
・北海道11区から民主党公認で立候補 →落選
・2009年衆議院選挙 自民党の故中川昭一氏を破って2期目の当選
(池田容疑者とは?)
石川容疑者の後任として、2005年から陸山会の事務担当者
(大久保容疑者とは?)
・小沢秘書軍団の要
・岩手県釜石市出身
・平成3年の釜石市議選に30歳で初当選
・2期目途中の11年に自民・自由党の推薦で市長選へ →落選
・当初は私設秘書
・盛岡市の小沢氏の個人事務所に勤務
(小沢氏の動き)
現在まで聴取には応じていない ⇒ 国会待ち?
どうしようもないと思うのですけど、鳩山首相は小沢さんどうします?
★鳩山由紀夫首相 16日昼
「幹事長を信じています。どうぞ闘ってください」
★小沢氏から鳩山首相へ
「自分は法に違反していることはない。」
「捜査に協力している。幹事長を辞めるつもりはない」
失笑。