≪橋下大阪府知事≫TV発言で新たに提訴される | RE:SUKI

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■TVで名誉毀損…母子殺害の弁護団、橋下知事ら提訴

山口県光市の母子殺害事件で死刑判決を受け、上告中の元少年(28)の弁護団の弁護士16人が27日、読売テレビなどで放送された「たかじんのそこまで言って委員会」で懲戒請求を呼びかけられて名誉を傷つけられたなどとして、現大阪府知事の橋下徹弁護士と読売テレビ(大阪市中央区)を相手取り、1人660万円の損害賠償を求め、広島地裁に提訴した。(2009年11月27日12時43分 読売新聞より一部)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091127-OYT1T00653.htm


過去にこの件に関して記事を書いていました。

流れがわかると思いますので引用し紹介しておきます。



(2007年06月20日(水)の当ブログ記事より)


■光市母子殺害事件の弁護団に怒る 橋下徹弁護士



世間では、この発言が問題になっているようです。


橋下徹弁護士、光市 母子殺害事件の弁護団に怒る! (動画)


「いや…、もうね、ほんと残念、というかね。ま、弁護士っていうのも、こんなのもんなのかなぁと。」


「で、あの21人のあの弁護団の中で、特に安田って弁護士は、あれは本当に弁護士バッジ取らないといけないはずなんですよ。」


橋下弁護士の動画での発言内容は、以下の報道に基づいたものです。


山口県光市で1999年、本村洋さん(29)の妻子が殺害された事件で、殺人罪に問われ、1、2審で無期懲役判決を受けた元会社員(25)(犯行時18歳)の弁護人2人が、最高裁で予定されていた口頭弁論を欠席した問題で、本村さんは15日、2人が所属する各弁護士会に処分を求める文書を送った。

 「弁護士会が、裁判遅延行為と判断した場合は、懲戒手続きに入ってもらいたい」としている。 弁論を欠席したのは、安田好弘(第2東京弁護士会)、足立修一(広島弁護士会)両弁護士。2人は14日に予定されていた弁論を、日本弁護士連合会が開催する裁判員制度の模擬裁判のリハーサルに参加することを理由に、欠席した。(3月15日読売新聞)


最高裁での口頭弁論を裁判員制度の模擬裁判のリハーサルを理由に、欠席したという記事です。裁判遅延行為と判断された場合、懲戒手続きにあたるのでは?と本村洋さんが処分を求めています。


本村洋さんと言えば、忘れられない事件があります。山口県光市で当時18歳の少年だった元会社員の被告(26)が、妻子を殺害した事件です。そして、殺害された女性の夫である男性が、本村洋さんです。


~ 事件概要 ~

(事件発生日)

1999年4月14日午後2時30分頃

(発生現場)  

山口県光市アパート

(発生状況)  

排水検査員を装い、作業服を着た被告である少年(当時18歳)が、被害者宅に侵入

(事件内容)  

馬乗りになり暴行。その際、頸部を圧迫し女性は死亡

発表によると、その後死姦をした模様(強姦には当たらないと主張)

赤ちゃん(女の子)を黙らすため床に叩きつけ首を紐で結び殺害

証拠隠滅を図った上、財布を盗み逃走


(逮捕)     4月18日


逮捕された犯人の書いた手紙の内容は、以前書きましたが酷いものです。

(参考)http://ameblo.jp/sukinakoto/entry-10034596645.html


このような考えを持つ人物に対し、安田好弘弁護士が中心となる21人の弁護団は、このように弁護しました。


「被告は、自分が中学1年のときに自殺した母への人恋しさから被害者に抱きついた。甘えてじゃれようとしたので強姦目的ではない。騒がれたために口をふさごうとしたら誤って首を押さえ窒息死させた。死後に遺体を犯した行為は、生をつぎ込み死者を復活させる魔術的な儀式だった。長女は泣きやまないので首にひもをまいてリボンの代わりに蝶々結びにしたら死んでしまった。どちらも殺意はなく、傷害致死罪に当たる。」


殺人罪には、あたらないということのようです。理由は、「母への人恋しさから」と「首にひもをまいてリボンの代わりに蝶々結びにしたら死んでしまった。」


この発言には私も驚いたのですが、疑問視された方も多くこのようなHPを作られた方もいます。


21人の弁護士に懲戒請求を求める (2009年現在は存在しません)


橋下弁護士は発言の中で、「弁護士会の懲戒権」と「懲戒請求」について説明されています。


「ぜひね、全国の人ね、あの弁護団に対してもし許せないと思うんだったら、一斉に弁護士会に対して懲戒請求かけて欲しい。」

「懲戒請求っていうのは誰でもできます。簡単に懲戒請求を立てれますので、何万何十万という形で立ててください。」


フムフム。

これは私もがんばっちゃうかな、なんて思ったのですが、法律的には実はこれ、そんな簡単な話ではないということもあるようです。なんでも懲戒請求が違法行為になり、損害賠償の対象となる場合もあるとのこと。


山口県光市の母子殺害事件で殺人罪などに問われた当時18歳の元少年(26)の弁護人に対する、インターネットを利用した懲戒請求が相次いでいることが分かり、有志の弁護士508人が19日、「被告が弁護を受ける権利を否定する言動に抗議し、直ちに中止を求める」との緊急アピールを発表した。請求は計数百件に上るという。

 アピールなどによると、ネット上に「意図的に裁判を遅らせている」などとして懲戒を求める書面のフォームが出回り、これを使った請求が各弁護人の所属弁護士会に届いている。

 アピールの呼び掛け人の1人、前田裕司弁護士は「基本的人権を守る弁護士への攻撃だ」と話している。  日弁連は、こうした懲戒請求の有無について「答えられない」としている。(共同)


やはり弁護士相手に懲戒請求ということは、簡単には進まないようです。

「基本的人権を守る弁護士への攻撃だ」と話していますからね。


これらの動きが原因で安田弁護士ら弁護団に訴えられる民間の方が、これから出てくるのでしょうか?


橋下弁護士の発言が、21人の弁護団へ納得出来ない一般の方の気持ちを動かしたのですが、弁護士的な対応で今後動きを取るようです。




――  ここまで引用


このような流れで問題が発生していました。



橋下大阪府知事は、「表現の自由の範囲がどこまでなのかっていうのは、非常に重要な問題ですから、これはきちっと司法で判断していただきたいなと、思っております。」「僕が逸脱していたなら、改めなければいけない」と昨日、報道陣を前に語りました。


番組を制作した読売テレビ総合広報部によると、「詳細は把握していないが、当社の行為が不法行為や名誉棄損にあたるとは考えておらず、理由は裁判の中で述べる」とのこと。


そして、今日の報道によると、「橋下氏に対して提訴している3人は読売テレビを相手に、1人330万円を求めた。両者に対し、新聞への謝罪広告の掲載も求めている。」というのが現状です。


2007年の弁護士4人による裁判では、1審の広島地裁は橋下知事に800万円。2審の広島高裁では知事に360万円の支払いを命じました。


双方が上告していましたが、新たな動きがありました。橋下知事と読売テレビに対し、計1億2千万円の損害賠償を弁護士19人が求めたのです。


名誉毀損などで損害を被ったことが理由ということです。


法律上は橋下知事が不利に見える展開ですが、「母への恋しさから、首にリボンを蝶々結びにしたら死んでしまった」という話など、私には理解出来ないことを主張している弁護側の話にも疑問があります。


これはこれ、あれはあれで、まったく異なる案件ですので、並べて論じることは出来ませんが、表現の自由と絡み、今後どのような展開が裁判の中であるのか、非常に興味ある出来事だと思います。


弁護士の争いも、もちろん司法の下で判断されます



■原告・今枝弁護士「画期的な判決」 /広島



■光市殺害事件弁護士ら、橋下知事提訴