「感染列島」試写会に行ってきました | RE:SUKI

RE:SUKI

考えましょう

「神に裁かれるのは人間か?ウイルスか?」のウイルスパニック映画『感染列島』の試写会を観たことを書くか、書くまいか考えていたのですが、ロードショーが1月17日からとのことですので、書きます。思い切って書くかもしれませんので、楽しみな方は注意です。


■感染列島 公式HPへ


名前から分かるとは思うのですが、ウイルスの感染が一気に広まる、所謂「パンデミック」という状態を、日本をベースにシュミレートしながらドラマに作り上げられた作品です。「パンデミック」については、以前記事に書いた記憶もあります。


主演は、妻夫木聡さん。そして物語の中心となり、事件を調査するWHO職員役に、壇れいさん。この2人を中心にストーリーは展開されます。藤竜也さん演じる関西弁を話すインフエルエンザの権威は、海外で考えるとモーガン・フリーマンなどの役どころでしょうか?渋い役です。


そして、重要な役所に、お笑いの爆笑問題・田中さん、カンニング竹山さん。友情出演で少しだけ佐藤浩一さん。某白い犬の携帯電話CMの黒人さんであるダンテ・カーヴァーさんも、医師で登場です。国仲涼子さんも看護がんばっておられました。


ストーリーについては、あまり詳しく書くと、お楽しみの方に迷惑になるので書きません。…と思いましたが、今回の映画は思うところがありましたので、ちょっと書きます。気になった点を。日も後4日とすぐですし。


この記事を読まずに、映画を見に行くほうが楽しいのは当たり前でして、その様な方は読まないようにして下さい。すぐにブラウザの×を押すか、違うページへ移動して下さい。


↓ここからネタバレ注意↓ドクロ




では、気になった点をちょっとだけ。


過去、公開前の映画は、基本褒めている私ですが、この映画は褒める気がしませんでした。それはなぜかを考えたのですが、少し前のハリウッド映画で流行った1つのパターンの、モノマネ映画にしか見えなかったからです。


この映画は、数種類の感動話を続けるだけで構成される、「連続感動映画」に思えました。例えばですが、「ある人が犠牲になって全員を救う→全員敬礼→涙」、とか、「私が行きます→俺はもう寿命がないので俺にまかせろ→先輩…涙」のようなパターンを繰り返します。少し前の映画によくあったパターンですよね。ストーリー以上に、作られた様にしか見えない「感動話」が目に付き、まったく感情移入が出来ませんでした。


開演後しばらくは、演技されている俳優さんの素晴らしさもあり、興味深く観れたのですが、某島に行く辺りから、一気にテンションが下がりました。島に注目し、今回は回想してみます。


到着した島の家の扉を開けると、コウモリが大量にバサバサと飛び出てくるシーンがあります。私は、この演出があった時点で、「ちょっとまずい展開になってきたのでは?」、と感じていました。せっかくのウイルスパニックというシリアスな展開が吹っ飛び、何をしたいのかが分からない状況になる可能性が、見えたのです。


私は、ホラー映画を観る際に、その様な演出に注目する癖があります。扉を開けると、CGのコウモリがバサバサですから、ね。個人的に「お化け屋敷演出」と呼んでいますが、ジャンルが違うじゃないの、と。まぁ、お正月映画でお子様をターゲットにしていたのならば、仕方がないとも思えますが。


日本での感染源である医師が、なぜ日本に来た時にだけ、ウイルスを撒き散らすことが可能であったのかも、疑問です。あれだけ日本の駅などで他人にウイルスを感染させた医師が、海外の空港や町に戻った際に、なぜ感染を防ぐことが可能だったのでしょうか?ストーリーに無理を感じました。頭の中はそれで一杯に…


さらに島では、血まみれの住民がゾンビの様に手を前に差し出し、主人公に向かい襲いかかってくるシーンがあり、バイオハザード関連の映画、もしくはジョージ・A・ロメロが監督の映画じゃないのだから…、という寂しい気持ちが沸き起こる始末。もうね、これは最大の失敗です。まったく意味が分からないというのが、正直な気持ちでした。


島での感動シーンの1つである、銃を持った子供に「トモダチ!I'm your friend! トモダチ!」と連呼し、抱き合うシーンにも、疑問が。日本人医師がその島に行っており、「トモダチ!」と住民に教えていると想定して言ったのでしょうか?


島シーン最後の、コウモリが原因ということが判明するシーンも、あまりに素っ気無いものでした。死んでいるコウモリを観客が観るだけで、原因を理解できると踏んだのでしょうか?その後のコウモリと原因を特定した後の、ウイルス発見者である竹山さんの会見での文句の様なセリフも、ストーリー上は何も広がることなく終了。普通は何かありますよね、あのパターンは…。


全てはこの島が質を劣化させたのではないかと、回想しています。前半のシリアスな展開をわざと崩したのか、それともウイルスパニックという設定に限界があったのかは分かりませんが、非常に残念な結果に。その後の日本でのストーリーは、「連続感動」話の繰り返しになります。


他にも様々突っ込み所があるのですが、これくらいにしておきます。というわけで、「パンデミック映画」ということで、期待しすぎたからなのかもしれませんが、私にとっては、残念な結果でした。死者約1000万人、感染者数が約4000万人という「BLAME(ブレイム)」というウイルスの怖さをもう少し伝えて下さるほうが、面白かったのかもしれませんね。


公開前にも関わらずハリウッドがオファーをしてきた、と書かれていましたが、部分的に改善すれば、良い話になるのかもしれません。題材は面白いのですから。


総評すると、ストーリーに重点が置かれていない「連続感動映画」であったと私は思っています。泣きたい方が観ると、それなりに楽しめるのかもしれませんね。


私、試写を観る時は周囲の様子を観察してしまう癖があるのですが、どうも今一すっきりしないという様な顔をされている方が多かったです。


しかし、号泣されている女性もいましたので、人それぞれなのではとも思います。私と一緒に観た知人は、私より評価が低かったですが。50点付けてました。私60点です。まぁ、色々でしょう。何も考えずに観ると、きっと楽しいはずです。うん、たぶん。


タミフルなんかが出てきた最初のほうは、面白かったのになぁ…




↓関連ねこへび

Pandemic Teaser Trailer

夢の蕾

ゾンビ映画 ロバート・カーライルの演技好き