高校2年生のころ、雑誌「週刊ベースボール」のコラム「ベースボール・グラフィティ」で書評を見つけたことから購入した。1983年のことだ。

 

 慶大法学部の池井優先生が、元助っ人選手を訪ね歩いて、回顧と現況を語ってもらうという本である。言葉と習慣の違いに苦しみながらも、日本を愛し、出場機会を得て成長していく若者たちが登場する。

 野球選手といえども人の子である。家族を置いての来日は寂しいものであり、環境に慣れるには何より謙虚さが必要だ。
 メジャーの誇りと異郷での順応という二律背反を成し遂げた者のみが、日本でも成功できる。

 とりわけ広島ホプキンスの言動が印象に残った。
 試合前に大学病院に現れ、猛勉強する。
 移動の新幹線やホテルの一室で、医学書を開く。
 与えられた時間はだれしも一日24時間。
 すきま時間の使い方で、人生はいかようにも変わる。

 

 胃の辺りに温かさが広がった。