ある方からご質問をいただきました。
「私が自己破産をしたせいで、息子の住宅ローン通らなかった」
というものでした。

本人の場合は、信用情報そのものに登録されているのは当然です。

親子、夫婦など親族の場合は信用情報の共有がなされることはありません。
なので金融機関が取得した借入申込人である息子の信用情報に親の信用情報が付帯されていることなどありえないのです。

しかし、稀にいくつかの条件が重なると発覚してしまうのです。

また、ある業者様から
「お客様の借入先が全部ばれた、それも○○クレジット○○円、○○カード○○円など、全て指摘された」
というものでした。

本来このような回答がなされること自体は違法です。
住宅ローンを申込んで、その申込んだ金融機関の者が第三者である不動産会社の営業に、
こんな個人のプライバシーの詳細を話したとなると大問題です。

この事実が証明されれば、その金融機関は信用情報機関から間違いなく情報提供を停止されるなどペナルティーを科されることは間違いありません。

しかし、現場ではしばしば行われているのが実情。
業者にとってはこのように具体的に教えてくれる金融機関の人間はのどから手が出るほどほしい人材。
不動産業者にとっては、「何故否決になったのか、どうすれば通るのか?」が一番知りたいことであり
その為にも、このような「何でもあり」の担当者をもつことと、
このような担当者との付き合いを作り出すことは命題でもあるからです。

私は、金融機関の方から取得した信用情報そのものも見せていただいたこともあります。
ですから、お客様個人が開示する信用情報と何がどう違うのかも当然に熟知しています。

この個人の借入が全て社名までもが全て発覚した「」というのは正確に言うと誤りです。
これも、発覚したことは稀なケースです。

では、何故発覚したのか?
このようなイレギュラーケースまで知る必要はないのかも知れませんが、
住宅ローンのプロとしては是非詳細まで知っておいてほしいものです。
きちんとした知識がないと
こういう事実を突きつけられたとき
「親族の信用情報もバレル」
「借入は全てバレル」
という誤った情報が流れるのでしょか・・・。


次回は、「所得証明の偽装が発覚、取引停止に追い込まれた不動産業社
ローンの申し込み窓口は
その種類、例えばカードローンや自動車ローン、住宅ローンと種類は違えど
窓口はその成果 = ノルマを抱えているのが普通です。

したがって窓口は基本的にはローン審査を通したいのです。
しかし、個人信用情報を取得して、ブラックや、ホワイト情報によって
審査基準に沿わない場合は
審査が通らない = ローンが獲得できない
という残念な結果になります。

住宅ローンでは、
店頭でのキャンペーン、チラシの配布、不動産会社へのアプローチ等で住宅ローン獲得を目指しています。
ローンの申し込みを受けても審査が通らなければ金融機関の担当者には何の意味もありません。
せっかく足を運んで受任した住宅ローンが何の成果もなくなってしまうわけです。
いくらたくさんのローン申し込みを受けても通らなければ結果、成績は「0件」!
よく、遅い時間にローンセンターに行くと、成績が上がらず所長に怒られている担当者を見かけたものです。
信用金庫などでもボロッくそに怒られている行員を見たことがあります。

「このボケー、どないすんねん!」
あー怖、信用金庫は柄が悪い!

そこで、ノルマを達成するために偽造に走る輩が出てくるわけです。

その手順は(これは住宅ローンではありません。私が前に勤務していた金融機関のケース)
まず、最初に本人の信用情報を照会します。
氏名や生年月日、住所などの本人属性の後には
ずらずらとホワイト情報やブラック情報が記載されているものが印刷されてきます。
その情報と属性と情報の間を切り取り、全く別人のきれいな情報と差し替えてコピーし、
審査に提出するといった幼稚なやり方です。

他にも「日本 太郎」は「ニホンタロウ」と入力するのですが

「ニホンダロウ」とわざと濁点をつけて入力すると全く別人となってしまいます。

離婚して姓を変えるのと同じことになります。
そして、その濁点を修正液で消して
「ニホンダロウ」を「ニホンタロウ」に見せかけてコピーする輩もいました。

要は、全く別人の信用情報を本人のものと内容だけをすり替える手法です。

住宅ローンの場合は、融資の実行後、信用情報を照会することはまずないのですが、
カードローンなどは借り換えや、増額の申し込み等があるので、その都度個人の信用情報を照会します。

そのときに、その不正は発覚します。
履歴が全く違っているからです。
そして、ほとんどは解雇処分になっています。
その時は、偽造して審査を通したお客様には1回限りで返済させて、
再度信用情報を取らないで済むようなつもりでいても
お客様が返済できない等の事情で営業マンの思うとおりに事が運ばないケースがあったり、
偽造を続けていても転勤でできなくなって発覚したり・・・。

私の横でニヤニヤと偽造をしている人はよく見ました。
どこの支店でもいました。
私の記憶では20代の社員で、発覚したときには数億円の損害を会社に与えていました。

実際、金融業界全体ではこのような不正が相当あったのでしょう。
今では、支店単位で照会するのは零細の消費者金融会社ぐらいで、
ほとんどが本店で一括管理しているのが現状です。

住宅ローンの実際の実務では、窓口や支店で信用照会し、本部の審査部で再度照会する、
といったことは稀で、いずれかで照会するのが普通です。
一般的には保証会社で信用照会することが多いため、このような紙媒体での偽造は難しいのが現状です。
それをしようと思えば、データーそのものを改ざんしなければできません。

また、特にCCB(JICC統合)等ではその精度上、類似情報が出てきますので難しいでしょう。
したがって、住宅ローンにおいてはこの手の偽造は難しいと思います。
しかし、一部の金融機関やプロパー融資などではこのような方法での偽造の可能性は有るかもわかりません。

以前のブログでも一例を紹介しましたが、組織ぐるみも含めた不正は何度も経験していますので・・・。

次回は、最近多い、
別世帯の親の破産が住宅ローンに影響した!
借入先の金融機関が全部ばれた!
等、信用情報の氾濫について書きたいと思います。

私が以前金融会社に勤務していた時代には
この「信用情報の改ざん」はよくありました。

お客様から融資の申し込みを受けると直ぐに信用情報を取得します。
そこで審査基準に合致しているかどうかを判断し、
許容範囲なら進める。
基準外ならお断りをする、
という手順になります。

保証会社の保証をつけたり、連帯保証人をつけたり、という融資の実行に向けての一連の作業が
あるので、1次審査と称してできる限り無駄を排除するための「ふるい」となります。

しかし、営業店ではいかに新規のお客様を獲得するかが命題です。
時には非常に厳しいノルマがあります。

ですので、成績が上がらない営業マンによってこの個人信用情報の改ざんは行われていました。
(ちなみに私は手を染めてはいません。)

当然、改ざんが発覚すると解雇となります。
解雇どころか、融資が焦げ付くと損害賠償責任です。

それでも、この信用情報の改ざんは後を絶ちませんでした。
それだけ営業成績に追い込まれた営業マンや支店があったということです。

この信用情報の改ざんは、正確に言うと信用情報そのものを変える、
というものではありません。

それは、自社の貸付やブラック情報を変える事は可能です。
(端末が支店にあればの前提ですが・・・)
他の金融機関の貸付状況、いわゆるホワイト情報やブラック情報は

その金融機関の端末でしか変えることはできません。

したがって、審査部に提出するお客様の信用情報を照会して

印刷されたものを改ざんするわけです。
その手口は次回に・・・。