早くレストア記事を完結させないと
・・・と、次第にアセり始めていますが
タダで貰ってきたスーパーカブの再生シリーズ
前回の記事 ↓ からのつづきです
長かったサビ取りやミガキ(モガキとも言う 汗)
そして下地準備作業などにケリをつけ
ようやくレストア工程の花とも言うべき塗装です
私は塗装は素人で何度やっても下手クソであることは自覚しているのですが
塗装自体は結構好きなんです
なんといってもビフォー/アフターの差が歴然な作業ですから
逆に言うと、
これで失敗すると悲惨な結末が待ち受けている
DIY塗装とはそういう
素人にとって、言うなればバクチ性のある作業(?)
というのが塗装工程なので
自分としてはこれまで行ってきたDIY塗装の経験も踏まえて
より一層の慎重さと計画性をもって今回の塗装に臨んだつもりです
素人塗装のセオリーというか
まずは失敗の目立ちにくい物から塗装を始めます
スプレーの感覚を練習する意味も兼ねて
ということで黒塗装する鉄物パーツから
必要はないかも知れないけれど
一応今回は全ての塗装で、まず下地に上塗り塗膜の密着性を高めるミッチャクロンを一層吹き付けておきました
そしてミッチャクロン吹き付け後の乾燥
ここにぶら下げているパーツが今回黒塗装する対象です
ミッチャクロン乾燥後、プラサフ(プライマーサフェイサー)を塗装していきます
今回使用したのは全てホルツのプラサフですが
自分の使用感としてはソフト99のプラサフよりも一回の吹き付けあたりの下地隠蔽力はホルツの方が勝っている感じで
ソフト99が2~3回吹き付けないと下地を隠蔽しきれないのに対して
ホルツは1回目からかなり全体に塗膜が乗り
2回も吹けば確実に下地が隠れます
ということは塗布面積が多ければ多いほどスプレーの使用量がホルツの方が格段に少なくて済むので
そんなわけで今回は全てホルツ製で通してみました
上塗りの黒は普通のツヤ有りであれば良いので高い自動車補修塗装用は使わず
今回は一般用のラッカースプレーで塗装しました
自動車補修用スプレーの半額くらいだけど
塗装のし易さも仕上がりも文句無しです
チェーンケースも黒部品と同じミッチャクロン+プラサフで下塗りしたのち
こちらも一般用のラッカースプレー のシルバーを使いました
ほんとはホンダ純正色のシルバーもあって、チェーンケース本来の色はそちらの方が正しいのでしょうが
何と言っても純正色スプレーは高いし
それにシルバー自体の色の違いは自分的には気にしないので
ここはコスト重視で
ということで鉄物部品の塗装完了
これらにはクリヤーの上塗りはしてません
着色で終わり
チェーンケースの穴あき箇所のパッチ当ても
塗装したら完全に目立たなくなりました
次に塗装するのはガソリンタンク
車体色グリーンの塗装はフレームなど大物部品が控えているので別の日の塗装を予定しているのですが
まず先行でガソリンタンク、
しかもフランジ部分下面のサビが出ていた場所から塗り始めました
なぜここから始めたのかというと、ちゃんとした理由があって
今回の車体色塗装には、ホンダ純正色スプレーを取り寄せて購入しました
モノタロウ価格 1本税込みで2,080円もする、とても高いスプレー塗料なのですが
カブの純正色の色記号G-116のスプレーはこれしかない
で、その純正色スプレーの色味が、本当にカブの色と合っているのか?
フレームなどの本塗装に入る前に実際に吹き付けた色を確認したくて
ちょうどガソリンタンクの下側は取付状態でフレームに隠れている部分で
ということはここの塗装の色は新車の時の色がほぼそのままのはずなので、スプレーの色味がカブ純正色と本当に合っているのかが確かめられる
しかもここへスプレー塗装してもしも色味に差があったとしても、タンクを組んでしまえば見えなくなるので被害は少ない
・・・という理由で、車体色の本塗装をする前に最初にここから塗ってみたのです
当然、本塗装と同じ条件にならないと意味が無いので、
下塗りはホルツプラサフで塗った上にこの純正色を塗装
この写真で下の部分にだけスプレーしていきます
したがって上の部分は元のオリジナル塗装のまま
そうして塗ってみた結果がこれです
さすが純正色だけのことはある
写真で見ただけではどこからがあとからスプレーした範囲かわからないかと
これなら特に気にすることなく本塗装も出来る
ということで、タンク上面もそのまま塗っておきました
ホンダ純正スプレーを使ってみて感動したのは色の正確さだけでなく
色の乗りが抜群に良い点
厚めに吹き付けるでもなく、普通にスプレーしているだけなのに
ひと吹き目からすでに下地のプラサフを隠してしまうほど色乗りが良い
しかも粒子のキメが細かくて、
吹き付け直後は塗膜のゆず肌が大きくても、乾燥して溶剤が抜けていくとともに表面がみるみる平滑になっていきます
ソフト99やホルツ製のスプレー塗料はさんざん使ってきたけど
それらより格段に塗りやすくキレイに仕上がる塗料だと感じました
純正価格ということでお値段高めだけど
これは使う価値アリです
さて、タンクなどのボディ色塗装にはクリヤーの塗装をするのですが
今回の上塗りクリヤーはツヤ消しで仕上げます
で、
本来なら最終上塗りの塗料は耐溶剤性で2液ウレタン一択のハズだったのですが
今回の失敗としては、よく調べもしないで2液ウレタンの缶スプレーにツヤ消しは無いと思い込んでいたこと。。。
実際、ホルツもソフト99もウレタンクリヤーは販売されているものの
ツヤ消しクリヤーはラインナップされてなくて
だからウレタンのツヤ消しクリヤーは諦めて、仕方なく通常のアクリルペイントのツヤ消しで仕上げることにしたのですが
そのための仕上がりチェック
ツヤ消しクリヤーの重ね方でどれくらい表面のツヤが消えていくかのチェックです
やはり1コートではまだツヤが残っていて
2コート重ねると表面がマットになっていくことを確認
という確認をして、本塗装ではツヤ消しクリヤー2回塗りで仕上げようと決めていたのですが
この塗装を終えてから、友人からの情報で
実は2液ウレタンスプレーのツヤ消しクリヤーはイサム塗料から発売されていることかわかり
・・・・・
アチャー となりました
だってもうアクリルのスプレーを2缶買ってしまったし、、、
それを残してももったいないのでどう使おうかと
とりあえず耐ガソリン性でウレタン塗料があるなら絶対に使いたいので注文はしておいて
次はサイドカバーの塗装へ
サイドカバーは1日かかりっきりでサンディングしても表面の劣化層を消し切ることが出来ず塗装することを決断したいわく付きのパーツ
つまり表面の荒れはまだ残っているので、塗装するにしてもパテ修正は必須となるので
そのため本塗装に入る前にパテで平滑性を整えておく必要があることから、フレームなどの本塗装より先に下塗りをしました
これはPP材なので下地にはミッチャクロンは必須
その上からプラサフを吹いて
プラサフ自体もわずかな凹み程度なら埋めてしまうので、表面劣化層のヒビ割れ状の凹はこの時点でかなり消えて平滑にはなったのですが
それでも埋まり切らない大きな凹部にはパテを埋めていくので、
LEDライトで表面の凹み個所を詳細に調べていきます
そして凹ひとつひとつにパテを盛り
盛ったパテをサンディングしたのがこの状態
より凹を無くしていくにはこの作業をあと1~2回繰り返す必要があるのですが
(素人なので1発では決まらないのよ)
もう今回は多少の凹が残っていてもいいでしょ、と
1回で終わりに
サイドカバーだけ完全無欠のキレイな状態に仕上げても他とのバランスが合わないので
というのも
今回の塗装で表面パテ修正をするのは、このサイドカバーだけ
他は例えばサビ痕の凹等があってもそのままにしているので、サイドカバーだけキレイにしても意味がないのです
というわけでパテ修正1回レベルでプラサフをもう一度塗装しておいて、サイドカバーの下塗りは完了
あのギタギタの表面だったサイドカバーがここまで平滑になったのだから
もうこれでオッケーでしょ
という自己満の世界ですw
さて、残すはフレームなどの大物です
上で書いた小物部品の塗装などの後、しばらくの間天気の悪い日が続いたので本塗装は見合わせていて
約1週間後、久し振りに朝から1日中晴天の予報の日に本塗装決行です
まずは塗装ブース作りから始めました
以前にクルマのエアロバンパー塗装を屋外でやったときに
そのときの風は最大でも1mくらいだったのですが、それでもスプレーするそばから塗料が風で流されてしまって、
結局仕上がりが全然良くなくて塗装すべてやり直し
という苦い経験をしていたので
今回は絶対にそのようなことがないようにブースだけは必須だろうと
なので小物塗装のときも上の写真のように大きなダンボールの中で塗装していたのですが
で
自分の出来る環境でフレームなどの大物を塗装するブースを作るとすると
手持ちのワンタッチタープの3方をブルーシートで目張りして囲ってしまうのが一番費用もかからず実現出来るかな?と考えて
初めてのトライで自宅の駐車スペースのクルマをどかして設置してみた仮ブースがこれです
この日も時折1mくらいの風は吹いていたのですが
このブースの効果は絶大でした
外の風の影響はまったく受けずに塗装することが出来て
やはり吹き付け圧力と量の少ない缶スプレー塗装では
仕上がりももちろんそうだけど
ブースの有無でスプレーの使用量がまるで違うことを体感しました
ということで、早速ミッチャクロンから塗装を始めて
次にプラサフ
これはプラサフ一回目を終えた時点
先にも書きましたが、ホルツのプラサフだと1回目でこれくらい下地を隠蔽することが出来ます
ソフト99だとこのレベルまで隠れるには最低でも2回は必要です
つまりホルツの倍は重ねないとダメ
そして本日の本命
ホンダ純正色スプレーです
高いのでケチって全部で3缶しか買わなかったので
すべての車体色パーツを最低でも2回塗り以上を3缶で間に合わせなくてはいけない
自分の経験的にはかなりギリの使用量です
先にパテで表面修正しプラサフ仕上げしておいたサイドカバーもここで合流して塗装
結局車体色のホンダ純正塗料は3缶目の半分ちょっとくらいの使用量ですべてのパーツを塗り終えることが出来たのですが
ここで塗装の薄い部分(塗装スケ)がないか、各部品の塗装状態をさらに念入りにLEDライトでチェック
自然光の状態で見ながら塗装しているので、きちんと塗っているつもりでもこのような面の変わり目や下側などに、塗ってるときは気付かない僅かに塗装の薄い部分が残っていたりするものなので
で、やはり塗装スケの部分は少なからず見つかって
残っている3缶目のスプレーを丁度使い果たすくらいですべて塗り終えてボディ色の塗装は終了
本当に3缶でピッタリ終わりの感じでした
もう少し塗りムラが残っていたら間に合わなかったくらいに本当のギリ
なので、やはりこれくらいの塗装規模だと内容量300mLの缶スプレーでは目安として本来は4缶は用意しておいた方が良いですね
勉強になりました
ということでボディ色の塗装は終わって、クリヤーの上塗りに入る前に
ステッカーの部分に貼っておいたマスキングテープを忘れずに剥がしておきます
今回の塗装ではこのステッカーも上からツヤ消しクリヤーを塗ってしまおうという作戦なので
で、まずはウレタンのツヤ消しクリヤーがあるのを知らないでアクリルのツヤ消しクリヤーをすでに買ってしまってあった件です(;^_^A
とりあえず買ってしまったものはもったいないから使ってしまおうと
樹脂パーツ3点はこのアクリルツヤ消しで最終仕上げとすることにしました
サイドカバーとステアリングロアカバーの3点です
他の車体パーツに比べれば耐ガソリン性・耐溶剤性はそこまで考えなくて良さそうだし、という選択です
そしてラスボスの2液ウレタン登場ですw
これが唯一のツヤ消しクリヤーの2液ウレタン缶スプレー
最初からこれの存在を知っていれば、悩むことなくすべてのパーツをこれで仕上げたんだけどねえ
もちろん2液ウレタンの耐ガソリン性能を活かして
ガソリンタンクを含めた主要車体部品はすべてこのウレタンで仕上げました
そうやってすべての部品の塗装を終えて
天気の良い日だったので日向で初期乾燥中
ちなみに2液硬化型ウレタンは、初期乾燥は30分から1時間ほどで手触可能ですが
完全硬化まではそれなりに時間が必要で
今回使用したイサム塗料製は説明書では78時間以上とのことです
したがって私はこの塗装後、3日間は何もせずに放置しておきました
塗装前の準備のところでは触れなかったですが
フレームでは車体組み立て後にボディアースで通電必要な部分には塗膜が乗らないように事前にマスキングしておく必要があって
カブの場合、
ひとつはエンジンとフレームの触れる部分
そこはエンジンを取り付けるボルトのどこかで車体の地金に触れてればいいのでさほど気にする必要もないですが
一箇所はレギュレートレクチファイヤーを取り付けるボルトの部分
そのボルトはワイヤーハーネスから延びたアース線を共締めする、カブ唯一の集中アース部分で
それがこのボルトの部分です
写真ではわかりやすいように塗装後にボルトを少しゆるめて浮かせてますが
ここは塗装前に適当なボルトを座面まで締め込んでマスキングしておいて、ネジ穴に塗装が入らないようにしておく必要があります
万一このネジ穴が塗膜で絶縁されたままになっていると、アース不良で様々な問題が出ると思われます
そしてもう一箇所
テールランプの取り付けネジの部分
テールランプの配線を見ると、テールランプとブレーキランプのそれぞれプラス線のコード2本しか来ていないので、ここの回路的にはマイナスはテールライトハウジングから取り付けボルトを通して、ここのネジ穴でボディアースになってます
ということで、ここのネジ穴も塗装が入らないようにあらかじめ適当なネジで写真のように塗装時はマスキングしておく必要があります
全バラ時に電気回路を観察して注意が必要だと感じたのはそれらの箇所です
これからカブの塗装を計画している人はご参考にしてください
自分的にフレーム塗装で結果が少し心配だったのはステッカー部分
年式を主張する大事なステッカーで、これは絶対に残そうと最初から決めていたのですが
マスキングして塗装で仕上がりがどうなるかが心配だったのです
そのため少しでも違和感なく、段差も少なくなるようにとクリヤーの上塗りを他の一般面と同じようにステッカーの上から塗装したのですが
こうして完成してみると、思ってたより違和感なくステッカーが塗装に馴染んでいてホッとしました
車体色塗装全体の仕上がりとしても
偶然の産物なのですが、今回使ったイサム製のウレタンツヤ消しクリヤーはフラットベースの配合がホルツのアクリルツヤ消しよりも多いようで、表面のマット感がかなり強めで
このツヤの落ち方は自分が描いていた理想に近いもので、とてもよい仕上がりになったと自己満足です
もともと
適度なヤレ感は残したうえで、そこそこキレイに仕上げる
という仕上がりを目指していたので、
ツヤツヤではないこのしっとりと落ち着いた表面は自分的には大成功と思ってます
ということで今回使った缶スプレーは全部でこれだけ
(黒とシルバーのスプレーを除く)
ミッチャクロン以外は全て使い果たしました
これを多いと見るか少ないと見るか?
特に着色のホンダ純正スプレーは3缶でギリギリだったので、かなり節約志向での使用量だったと思うのですが
それにしてもこれだけの量が必要になる
塗装もコストが掛かりますねえ
さて、塗装はこれで完了
ということは
いよいよ組み立てに入ります
続きます
【追記】 次回の記事です
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