前回はキャブレターの整備でした。
間にフィルターを追加されていましたが、キャブレターチャンバーに錆びが降りてきてました。
オーナー様が某オークションサイトで極上車として希少部品が取り付けられているのもあり相場の倍の価格でご購入。
私も説明文を拝見させていただきましたが、整備済み、極上クラスのコンディション的な内容でした。
「タンク内も綺麗です!」とありました。
とりあえず車検は通したもの、前回の整備よりコンディションが良いとは言えません。
来た時はヘッドライトや配線関係、クラッチも不良で車検通る状態ではなかったです。
全体的に綺麗に見えましたが、錆びの上からタンク塗っているみたいです。
ところどころぶつぶつがあります。
これは説明にありませんでした。
再塗装だから綺麗に見えた?
でも肝心な中身は???
タンク内
カメラでは綺麗に見せかける為に錆びの上から何か塗っています。
錆びを落とすには塗った物を落とす作業が発生する為、錆びたままにしておいた方が数十倍マシです。
オートバイが届いた時にタンク内除いてオーナー様が大変ショックを受けていたのが印象的でした。
錆び落としをご依頼されたのですが、錆び取り剤を使うとタンクに穴が開く可能性があることをお伝えしました。
抜いたガソリン
色おかしいです。
底は錆びだらけ。
「タンク内綺麗です!」との説明は適切でしょうか?
今では非常に希少車両で、当時乗っていた人にとっては思い出のあるとても価値のあるものだと思います。
本当にバイクを大事にしている人はこういう事はまずしないです。
自分の愛車にしますか?
バイクに罪はないのです。
出品者は出来るだけ高く売る為、良いところをアピールします。
良いところをアピールすること自体は全く問題ないです。
ただ反対のネガティブなところは敢えて伏せるか、事実と異なることを言う、もしくは誤解させるような説明をします。
わざわざ売れにくくなるような事はしない方が賢明と考えるからでしょう。
例え説明とは全く違うどんな物が届いたとしても、基本的に購入者がだいたい泣き寝入りするようになっているらしいので、正直に申告するより、誤解をさせたり虚偽をした方が得をするという構造がまかり通っているようです。
厄介なことに悪質な取り引き者は巧妙にカモフラージュし、公平な取り引き者の中に紛れているので見分ける事が困難です。
「やった者勝ち正直者がバカをみる」これがまかり通る、大変危険な事だと思います。
一見やった者勝ちが合理的に見えるのは実は短絡的な皮相で、利己であること利他であることどちらが合理的であるかは、ほとんどの人が理解していると思います。
塗られたものを剥がしますが、磨きにくいところにある上になかなか落ちません。
完成に落とすのはかなり難しいです。
何って事してくれたんだ!って感じです。
中を洗剤で洗って流しましたが、かなりの錆びが出てきました。
タンクの構造により全ての錆び粉を取り除くのは難しいでしょう。
錆び取り剤いれました。
しばらくすると、あからさまに塗料で盛っているところから…
嫌な予想は的中してしまいました。
割と大きな穴。
塗装が傷んでしまう、撮ってる場合じゃないよね!
すぐ洗い流して液も抜きました。
さらにものすごい錆び粉が出てきたので流しました。
エンドレス…
穴空いたところは埋めました。
他もあやしいです…
液を入れなおしたら
しばらくすると、また…
埋めました。