TWといえば一般的に200/225だと思いますが、輸出専用モデルとして125が存在します。

国内では販売されていない為、珍しい車両です。


ひび割れしたタイヤ、錆びついたチェーンの交換という事でご依頼でしたが、

野外5年放置ということで

当然エンジンはかかりません。


まずは順番として、エンジンがかかり、その他トランスミッションやクラッチ等も含め重大なトラブルがないかを、トラブルがある場合は部品は出るのか修理は可能なのか等、確認してから手をつけた方が良いと思います。



エアエレメント



キャブレター


粉砕したエアエレメントを吸い込んでます。

ガソリンの劣化した臭いがキツイです。




かなりやれてます。



5年放置どころではなさそうな気がします。




フロート固まっており外せません。

しばらく漬けておきます。



エレメントが粉砕しているのでエアクリーナーボックスの中掃除しなければなりませんが、ビスが緩められません。



エアクリーナーをずらし中開けました。



掃除です。



完了しました。



新しいエレメントをセット



キャブレターの掃除も完了しました。



スタータージェットの詰まりには苦労しました。




かなり昔、整備したことがありパーツリストありました。


今ではほとんどの部品が廃盤です。



新品のインテーク廃盤。

せめてパッキンは交換



純正キャブレターはテイケイ製。

ジェット類は傷みが酷く交換したいですが、

ほとんど廃盤で入手不可。

自然摩耗と思えないような減り方。

幸いニードルバルブセットとフロートチャンバーガスケットは出ました。


エンジンはかかったもの、チョークなしでエンジンかかってしまうし、パイロットスクリューはめいいっぱい締め込んでありました。


油面は正しく調整してありますが、非常にアイドリングから濃い状態です。


プラグは真っ黒です。


テスター数値からも明らかに異常です。



サービスマニュアルを確認して基準に合わせましたが、かなりズレてます。

ジェットを交換するしかないのですが…



バッテリーも珍しい型でメーカー廃盤です。

同じ規格の代替バッテリーに交換しました。



見つけてきました。


ホルダーも全く同じ番手です。

カタチだけ同じな浅い流用ではないです。

ニードルの段は一番上に変更されてましたが、まだまだ濃すぎて調子が悪い様子でした。

標準の位置に戻します。


放置前のエンジンがかかっていた頃から調子悪かったのでしょう。

以前のオーナー様がいじくり回して、迷宮入りして愛想尽かしたと勝手に推定してます。



ホルダー減り過ぎです。



タペット広過ぎてました。

標準隙間はこの半分程



多少落ちてます。




ジェットを交換してからは、マニュアル通りの標準あたりで落ち着きますね。

あれ程おかしかったら、調整で何とかなるものではありません。


スパークプラグはリークしている可能性が高いです。

新品にすると調子良いです。

IGコイル、コード、キャップあたりもあやしいです。

コイルテスター数値でも違和感があります。



バッテリー電圧はいまのところ問題ないです。



オーナー様お持ち込みのヘッドライト


交換して欲しいとのことです。



純正ヘッドバルブは変わったバルブで、不便なのでH4が使えるリフレクターに交換して欲しいとのことでした。



何かのヤマハ車両の純正流用らしいですが、取り付けできました。


よう調べてますね。


H4バルブは使用可能になりましたが、ワット数は同じにした方が良いでしょう。


とりあえずエンジン始動は出来ましたので次に行けますが、これからが戦いです。

それが数年野外放置車両というものです。