フロントブレーキは漏れたフォークオイルが付着し効かず、リヤは抜けて効きません。

35年前の旧車である上に15年程動かされていないという状態となってます。



ブレーキパッドはもったいないですが、オイルが付着している為、交換です。



大変なのが、キャリパーからのピストンの取り外しです。

ピストン固着大で、ピストンを内側から掴む工具では全く歯が立ちません。

両側ピストンタイプの場合、取り外し難易度と大変さが片側スライドタイプに比べ、数倍アップします。






なんとか全てのピストンの取り外しに成功しました。

ある程度覚悟はしてましたが、かなりキツイかったです。


私は両側ピストンキャリパーの整備にあたり剛性が低下する為キャリパーは分割してはいけないと習いました。

TDR250はブレーキフルードは1年ごと、キャリパーシールは2年ごととなってまして、仮に守っていたら固着してピストンは外せなくなるという事態にはなりうらないでしょう。

通常はこのような状態になる前に整備するべきで、このような状態ならキャリパーはゴミで、新しいものに交換という考えです。

新品が手に入るのであれば、そのつもりでしたがやはり廃盤です。








洗浄しました。

ピストンシールキットは新しいものに交換しました。

もう引きずりはないです。

今後、定期的なメンテナンスを行っていれば、キャリパーシールの交換は難しくはないでしょう。



次はリヤブレーキ、まずマスターシリンダーを固定しているボルトの取り外しが困難でした。

ヘキサゴン5mm穴、8mmネジ径、固着。

普通に回したら間違いなくヘキサゴンナメて外せなくなります。



リヤキャリパー、これも同じレベルで酷いです。

油圧は完全に抜けてます。






ピストンはかなり固着しており、取り外しはかなり困難に状態に…



マスターシリンダーの中も酷いです。



洗浄して部品交換



マスターシリンダーピストンシールはキットとなっております。

部品は出ますが今ではかなり高額な部品となってます。

ピストンにシールを組み付けなければならず、組み付けに失敗すると、シール単体では売っていない為キットで買いなおさなければなりません。


工賃節約しようと自分でチャレンジしてみたが失敗してしまい、そのあとのヘルプ依頼のような電話は定期的あります。


これ失敗したら、工賃払って依頼した方が安いので自分でやって失敗したらキツイやつやなぁと、どうでもよいことを思ってました。





マスターシリンダー整備完了です。



マスターシリンダーシールワッシャーが2重になってました。

以前の整備から間違って組み付けされていたということです。

整備もセンスがあって、知ってる知ってない以前に気がつく人は気がつきます。





リヤブレーキフルードエア抜きして完了です。

きちんと作用して引きずりもありません。


異常のないキャリパー整備は約1時間あれば、シール交換エア抜きできるものですが、状態によっては1日以上かかる場合もあります。

今回は1日がかりです。


新品部品が手にはいれば、交換した方が安いし安心確実です。

部品が既に手に入らない旧車かつ状態が悪い場合、

1日かかっても1日分の作業工賃を請求するわけにいかないので、このような作業は赤字作業になってしまいます。