オイル漏れが酷いということで、修理ご予約いただいておりました。

マフラー、サイレンサーからです。

お待たせ致しました。着手致します。


キックが原因で地元のバイク屋さんにクランクケースを交換してもらい、キックは直ったが、次はオイル漏れが発生するようになったとの事でした。



排気バルブ部のストッパーネジ、ナメたネジで締めている為、外しにくいです。

ナメたネジは交換しないそうです、参考になります。

ブーツは確実に取り付けられてません。






スパークプラグは緩んで締まっておらず、手で回りました。圧縮漏れ起こしていたようです。

100Km以上の距離を走ってお持ち込みいただきましたが、途中でエンジンストールしなくて良かったです。





圧縮はありますが、少し低いです。



キャブレターこのような様子です。



クランクケースほ左右で違うのが顕著です。

一部クランクケースが左右個別設定のものもありますが、パーツリストはセットとなっている為、左右共加工で製造されていると思います。

左右で違う部品を使うと問題がある可能性があります。





キックのスプラインが傷んでいるのか、キックが抜けません。

使われているナットもサイズが違うものが取り付けられていました。



ギヤオイル抜きました。



エンジンおろしました。



ピストンクリップ危ない位置にあります。

熱を逃すという意味でも取り付け位置はどこでも良いわけではないですね。



修理の時に、シリンダーをホーニングしてもらったそうですが、それが原因かは分かりませんが、地が出てます。

一応メッキシリンダーなので、鋳鉄ライナーのようなホーニングNGです。

まあまあ削ってしまったのか、ポートはバリ立ってました。





ピストンに当たっているところ



漏れはなさそうですが、シール偏り。



リードバルブ上下反対


外して見てみると向きがある理由がわかると思います。



修理されたところにまずはオイル漏れ修理を出され、とりあえずオイルポンプを新品に換えましょうと交換されたそうですが、症状は変わらず。

オイルポンプのテストや根拠が見当たらないのに交換という判断をされたそうです。

エンジンが壊れるかどうかを左右するオイルポンプという重要な部品なので、安全や万が一の為に新品に交換するという考えは理解できます。

ただ、その考えだったとしても、オイルポンプを仲介しているギヤがクラック凄くていつ破れてもおかしくないのですが、オイルポンプ新品交換悲しくギヤが壊れるとエンジンも壊れます。

その気持ちなら、クラック入ったギヤ看過するといことが起こりうるでしょうか?




シフターのカムアーム、組み間違えてオフセットしてました。

パーツリスト確認すれば、間違えることは少ないと思います。



ギヤオイル抜いた時のギラギラこれですね。


まだ最近エンジン修理してもらったばかりでしょうが、トランスミッションやクラッチも分解して洗浄点検が必要ですね。

仕方ないです。



交換した側のクランクケース、泥詰まったままエンジン組み立ててる事になるんですよね。




例のクランクケース



クランクシールハウジング

ここのクランクシール偏れて入ってました。

ここからギヤを吸い込んでいて可能性はあります。

支柱のところ、変形させて見て触って分かるくらい盛り上がってます。

この状態でシールをいくら真っ直ぐにセットしたところで、真っ直ぐ入っていくことはありません。







修正しました。







例の泥々しいクランクケースの洗浄




Before



After







クランクケースを洗浄するのは、エンジンを組み立てる際にゴミが入らない他に、事前に異常を発見する為でもあります。