続きです。
前回は分解したところでした。
まずは1回目の洗浄、泥や油汚れを落とします。
2回目、さらに洗浄脱脂され、ここで組み立て可能な状態になります。
3回目の洗浄を行うことで、外観をさらに綺麗にすることが可能です。
3回目の洗浄を行うと、チェーングリスや泥汚れがひどいフロントスプロケットまわりもご覧の通りです。
サンドブラストやウェットブラストのようなメディアが残すリスクのある施工ではなく、この程度の仕上げは可能です。
ウェットブラスト、サンドブラストの設備はありますが、当店はエンジンパーツに基本ガラスビーズを使った施工はしない方針です。
パーツクリーナーを何ケース使おうが、すべてのメディアを除去することは限りなく不可能に近く、外観の美しさより内部のデメリットの方が凌駕してしまうからです。
シリンダーはポートバリ取り、ホーニング加工を施し、洗浄、錆び止めの焼き付け塗装です。
塗料が乾いた後、200℃で1時間程焼きます。
焼いたあとはなかなか丈夫な塗膜になります。
キャブレターの洗浄です。
そして中のジェットやパッキン等の消耗部品は一新してしまいます。
クランクケースに新しいベアリングとオイルシールをセットしました。
クランクシャフトの芯出し
マニュアル規定値内におさめました。
トランスミッションの洗浄点検行い、クランクケースにセットしました。
サービスマニュアルのクランクシャフトにクサビ入れてプレス圧入という方法はせず、前回のエンジンの為に作った治具NO1でセットしました。
そして作った治具NO2を使ってケースを接合しました。
マニュアルではケースプレスで押して接合し、クランクシャフトの位置が良くない時はプラハンでクランクシャフトの軸先を叩いて修正する指示があるのですが、治具を使えば位置も決まるし、クランクシャフトの軸先を叩くなど信じられない事をする必要もありません。
クランクシャフトは軽い力でスムーズにまわります。
KDX系のエンジンもそうだけど、プレス型のエンジン、プレスを使って組んだ事がありません。